サツマヒメカマキリ幼虫(改題)
アラカシの葉の上で日向ぼっこをしていたカマキリの幼虫です。ヒナカマキリかと思いましたが、複眼の特徴的な縞模様はヒメカマキリのようです。
成虫幼虫を問わずこの時期にカマキリを見たのは初めてなので、最初死んでいるのかと思いましたがやがて動き始めました。
ネットで調べると複数のサイトでこのカマキリが幼虫で越冬することが記されていました。また別のいくつかのサイトでは幼虫越冬するのはサツマヒメカマキリAcromantis australisで、ヒメカマキリA.japonicaは卵越冬とされています。とすればこれはサツマの方でしょうか。
ハラビロカマキリなどが年を越して1月頃まで生き残っているのはたまに目にしますが、卵以外で越冬するカマキリがいるとは全く知りませんでした。
体に比べてずいぶん巨大な前脚です。日本で見られる他のカマキリ(すべてカマキリ科)と異なり、ヒメカマキリ科(=ハナカマキリ科)に属するそうです。
迷彩模様?の複眼の間に小さな角が見えます。
(2012.03.29・神戸市西区押部谷町)
* 2012.04.07・追記とタイトル変更 *
疑問に感じていたヒメカマキリとサツマヒメカマキリの違いについてezo-aphidさんが調べてくださいました。(コメント参照)それによると写真の幼虫はやはりサツマヒメカマキリですので、タイトルを「ヒメカマキリ幼虫」から「サツマヒメカマキリ幼虫」に変更しました。
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コメント
南方系のカマキリは不思議な形ですなぁ。2種の区別点を探してうろうろしてたら、「むし探検広場」(2007.01.01)でAnonymomyiaさんの回答を見つけたので、以下に全文抜粋します。
「ヒメカマキリとサツマヒメカマキリは完全に別種です.前種は卵で越冬し,後種は若い幼虫で越冬します.その結果.成虫は前種は秋に,後種は夏に羽化します.両種は九州では北部から南部まで混生しますので,長崎には両種が分布していると思われます.
形態の区別点は,前種は①頭の頭頂部に円錐状突起を欠き,②前翅の中ほどから斜めに翅の後の縁に向かう2本の翅脈が翅の前の縁近くを走るまっすぐの翅脈から分かれるあたりで強くS字型に湾曲する,③後脚の腿節の先にある平べったい山形の突起の高さが腿節の幅の1/3以下等の特徴がありますが,後種のサツマヒメカマキリでは,①頭頂部に円錐突起を持ち(この高さはやや個体によって変化があります),②前翅の中ほどから生じる2本の斜めに走る翅脈は根元でもほぼ直線状で,ほとんど湾曲しない,③後脚腿節の山形板状突起の高さは腿節の幅の1/2以上である,と言う点で区別できます.」
幼虫には①の判別点が役立ちそう、つまりは、ご注目の一本ツノにより、サツマとみていいですねー。ひむか昆虫記(サツマヒメ)とハンマーさん(ヒメ)にも幼虫が載っていました。
たまたま見た、昨日の「断蟲亭日常」にタイのユニコーンカマキリという種が載っており、同じような一本ツノを持ってました。こっちのグループにに入れたいですね。
投稿: ezo-aphid | 2012年4月 7日 (土) 08時46分
ezo-aphidさん、こんばんは。
一応調べたつもりだったのですが、その記事は見落としていました。いつものことながらお手数かけます。やはりサツマヒメカマキリですか。
ひょっとしてこれまでヒメカマキリだと思っていたものもサツマヒメだったのかも知れないと考えて過去の成虫の写真をいくつか調べてみましたが、Anonymomyiaさんの判別点に照らしてすべてヒメカマキリのようです。
「断蟲亭日常」のユニコーンカマキリ、いい格好をしていますね。タイトルをサツマヒメカマキリに直しておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年4月 7日 (土) 22時34分