クロバネキノコバエ科の一種
地面近くの低い草の上に沢山いたハエです。クロバネキノコバエ科の一種だと思います。
雌雄が入り混じっていて、メスは落ち着いて葉上の水滴を吸ったりしていますがオスはせわしなく走り回りメスを捕まえては交尾を繰り返していました。体長は左のオスで約3mm、右のメスで3.3mmほどです。
いつものMNDの翅脈図で見当がつくかと思ったのですが、属による差があまり大きくないようでちょっと判断がつきません。ただ「一寸のハエにも五分の大和魂・改」No.7633~5のアノニモミイア先生の解説に発生が「著しく多い場合はSciaraの場合に見られる」とあったのでその属かも知れないと思っています。
(2012.04.28・明石公園)
* 2012.05.02・追記と写真追加 *
ezo-aphidさんから翅のCu脈に微毛が見えればSciara属、と教えていただいたので別カットも調べて見たのですが確認できませんでした。代わりに、不鮮明ですがオスの交尾器の拡大画像を追加しておきます。カニの鋏のように開け閉めしていました。
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コメント
おはようございます。きれいな翅脈のラインですねー。
MNDの検索表では、Cu脈(フォーク状M脈の後方2本)に微毛があれば、ぴったりSciara属に落ちますが・・・・・。真上からの写真では、拡大しても見えないでしょうね。
投稿: ezo-aphid | 2012年5月 2日 (水) 05時56分
ezo-aphidさん、おはようございます。
相変わらず絵合わせしか能がないもので、そんな判別点は知りませんでした。この時はいろんな角度から沢山撮っていたので調べてみたのですが、Cu脈の微毛は確認できません。代わりにオスの交尾器が写っているカットがあったの部分拡大を追加してみました。元の撮影倍率が低すぎて細部は見えませんが、MNDのSciara sp.の図とは少し形が違うようです。やはり別属なのかも知れませんね。
投稿: おちゃたてむし | 2012年5月 2日 (水) 06時50分
「日本産双翅目ノート2」を見ると、日本のクロバネキノコバエ科にはMNDに載っていない属が知られ、現状では17属63種とのことです。これはドイツ産種数の20%弱ということなので、まだまだ、無名の種が残されていそうです。図は無いのですが、判別点が記されているので参考になるかと思います。
投稿: ezo-aphid | 2012年5月 2日 (水) 08時27分
ezo-aphidさん、こんばんは。
ドイツでの既知種が日本の5倍ですか。ずいぶん研究が進んでいるということでしょうね。「日本産双翅目ノート2」は日本語なのでほっとしましたが、写真で確認するのが難しい部分は別にしても利用するにはだいぶ勉強する必要がありそうです。
投稿: おちゃたてむし | 2012年5月 2日 (水) 19時47分