« チビヒゲナガハナノミ♀ | トップページ | アカサシガメの卵 »

2012年5月31日 (木)

コマユバチの一種の産卵

スイカズラの蕾に産卵するハチがいました。

_dsc4453
お尻から産卵管を突き出した小型のハチが
あちこちの葉や蕾にとまったりその辺を飛びまわったりしているので、ひょっとして産卵に来ているのかと思ってその場にしゃがみこんでしばらく様子を見ていると、期待通り何匹かの産卵行動を見ることが出来ました。

_dsc4100

_dsc4110

_dsc4068
蕾の中ほどから根元に向かって進みながら、何度か産卵管を突き刺していました。体長3mm強で、コマユバチの仲間だろうと思います。

_dsc4488
怪しげな蕾を切開してみると小さなイモムシが現れました。

_dsc4141
鱗翅目でしょうか。体長5mmほどですが、よく見るとなにやら別の小さなイモムシがくっついています。

_dsc4182
葉の上にころがしてみました。

_dsc41682
小さな幼虫は体長1㎜ほどです。当然イモムシの寄生者だと思いますが、この写真を見るとただイモムシの毛に引っかかっているだけのように見えます。突然すみかを追い出されたせいでしょうか。

_dsc4117b
これはまた別の蕾。イモムシの背中に卵のようなものがくっついていますが、(左下拡大図)撮影時には全く気付きませんでした。
この、イモムシにくっついた小さな幼虫や卵(?)が上のハチのものと考えたいところですが、迂闊にも現に産卵を確認した蕾を開けてみるということを忘れていたのではっきりしません。

(2012.05.22・明石市松陰新田)

|

« チビヒゲナガハナノミ♀ | トップページ | アカサシガメの卵 »

鱗翅目」カテゴリの記事

膜翅目」カテゴリの記事

コメント

コマユバチ科の幼虫は寄主の内部に寄生するものと思いこんでましたが、Rogadinae(の一部)とBraconinae(の大部分)の2亜科では外部寄生だそうです(Achterberg,1990)。どちらの亜科も蛾類幼虫に寄生するのですが、これはたまたま見かけた翅脈図と似ているRogadinaeの方かなぁ、と見ています。・・・・なお、Rogadinaeの一部は、蛾類の中齢幼虫をマミー化します(ハンマーさん、2012.05.15)。
1mmほどに生育した幼虫では、寄主から離れているのはなんとも不思議です。卵に見える方は、産卵管と比べて太すぎる?ので、若齢幼虫なんでしょうか。こちらの寄主にはやたら黒い傷が多いのも解せません。 

投稿: ezo-aphid | 2012年6月 1日 (金) 08時39分

ezo-aphidさん、こんばんは。
コマユバチと言えば寄主の体内からうじゃうじゃと沢山出てきて白い小さな繭を紡ぐという印象を持っていたのですが、外部寄生の種もあるんですね。
8枚目の写真で幼虫が寄主から離れているのは、やはり蕾から取り出したせいではないかと思います。取り出す前の写真(6枚目)では寄主にしっかり密着しているように見えます。
最後の写真で寄主にくっついている小さなものは、体節らしき構造が見えないので卵かと考えたのですが、確かに大きすぎますね。この寄主幼虫の体にあるたくさんの黒い斑点は何かに寄生された跡の様にも見えますが、何なんでしょうか。

投稿: おちゃたてむし | 2012年6月 1日 (金) 20時11分

鱗翅目の幼虫がらみなので、悩んでみました。
全て推測の域を超えていませんが・・・・。
幼虫大、幼虫小、卵?、コマユバチの相関的な関係です。
幼虫大:スイカズラの花から「スイカズラホソバヒメハマキ」ではないかと思われます。
幼虫小:幼虫大の小さい時ではないかと思われます。少し形態が異なるように思われますが、
    まだまだ判らないことが多い世界ですから可能性として・・・。
卵?:幼虫小が出てくればその卵が思いつかれます。蛾の成虫がどのようにして花の中に卵を
   産み付けられるのかが疑問に残りますが・・・。
コマユバチ:教えて頂いている行動の情報より、花の中の幼虫の有無を確かめながら産卵して
      いたと考えられます。
      従って、幼虫大にできている黒い跡は産卵管によってできたものでしょう。
と、いうことで私も探してきました。
同じものかどうかわ判りませんがMyBBSにUPしておきました。

投稿: YAMKEN | 2012年6月12日 (火) 08時14分

YAMKENさん、こんばんは。
ご考察有難うございます。
大小の幼虫が同種の蛾の幼虫という可能性は全く考えていませんでした。もしそうであれば、最後の写真の幼虫の黒い傷跡は内部寄生のコマユバチの産卵管によるものとして矛盾はないことになりますね。
ただ、ここには出していませんが同じ時にもう一組、上の6~8枚目と同様に大きな幼虫の体に小型の幼虫がくっついた状態を撮影していて、やはりこれは寄主と寄生者ではないかという考えも捨てきれません。二つの蕾から同じように成長段階に差のある2匹の幼虫が出てくるのがちょっと不自然な気がするからです。
YAMKENさんのBBSに掲載された写真の幼虫と上に出したものとが同じものか否かは私には判断できませんが、同じスイカズラの花の中から出てきたのであれば同種の可能性も高そうですね。すでに蛹化が完了したとのこと、予想通りの蛾が羽化してくるか、楽しみですね。

投稿: おちゃたてむし | 2012年6月12日 (火) 20時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コマユバチの一種の産卵:

« チビヒゲナガハナノミ♀ | トップページ | アカサシガメの卵 »