ヒメコバチ科Tetrastichinaeの一種
長い毛を生やした触角を持つヒメコバチで、昨年同じ頃に見たTetrastichinae亜科の一種(こちらの記事の1・2枚目)と同種ではないかと思います。シャリンバイの葉裏でキジラミの抜け殻らしきものをしきりに触角で探っていました。
触角を見ればオスのようですし、オスが抜け殻に何の用かと思って見ていると、空き家と見えた殻の中で何やら黒っぽいものが動いています。
どうやら同種のハチが寄主の殻から脱出しようとしているようで、しきりに頭を動かして殻を齧りとっているのが見えます。お尻の方の茶色の塊はハチが蛹化の前に残した糞でしょうか。外にいたオスはこちらを警戒したのか立ち去ってしまったので、そっと葉をちぎり取って近くのベンチに腰を据え、脱出を待ちました。
最初に見たときから頭が出るまで30分ちょっと、その後は早くてちょうど2分で抜け出してしまいました。
出てきたハチはしばらく葉の上を歩いてから身づくろいを始めました。オスが待ち構えていたのだから当然メスが出て来るだろうと予想していたのですが、最初のオスに劣らず立派な触角をしています。ただ長い毛がべったり寝てしまっているように見えて、これは以前BABAさんのブログに登場したものによく似ています。(ただし脚の色が違います。)これは果たしてメスなんでしょうか。捕らえて帰って深度合成撮影を試みました。
お尻の先から産卵管でも突き出していればはっきりメスだとわかるのですが・・・。触角には長い毛が多数生えているので、やはりオスなんでしょうか。
(2012.04.28・明石公園)
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コメント
こんばんは、
深度合成した写真に、しばし見入ってしまいました!
体のメタリックな色合いとライティングに深度合成と、芸術作品の領域って感じがします。しかし、すごいな~(^^)。
しかし、こう言うゴミにしか見えないところにも注意をして見ないと駄目なんですね。
投稿: そら | 2012年5月 2日 (水) 22時21分
そらさん、おはようございます。
お褒め頂いて恐縮ですが、深度合成では触角や脚の重なった部分の処理がうまく行かなかったり標本の周囲に不可解な縞模様が出たりと、結構アラが目立ちます。
寄生された蛹は確かにゴミですね。オスが教えてくれなかったらまず気付かなかったと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2012年5月 3日 (木) 07時48分
こんにちは。
キジラミから抜け出る所がドラマチックで良いですね。その時の興奮が伝わってきました。それと前から触角の毛の様子が気になっておりましたが、こう来ましたか!という構造でびっくりです。そらさんも書いておりますが、こういったポイントを押さえられる所が、おちゃたてむしさんの凄い所です!!!
投稿: BABA | 2012年5月 3日 (木) 16時22分
BABAさん、こんばんは。
こういう羽化とか脱出の場面に運良く遭遇すると確かに興奮します。それにしてもこの触角はやっぱり不可解ですね。時が経てば1~2枚目のオス?と同じように長い毛が拡がってくるんでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2012年5月 3日 (木) 20時07分