ニセケバエ科の一種
虫嫌いの方なら寒気を催しそうな光景ですが、ツバキの葉裏に群がっているのはニセケバエ科のハエです。
この日、同様の集団をいくつか見ましたが、ツバキ以外にもコナラの葉裏、また葉の表で集合している場合もありました。過去にも何度か見たことがあって、昨年tukikさんの小さき者たちの世界で同じような光景を捉えた写真を見たときにはてっきり同種に違いないと思ったものですが、あらためて拡大画像を比較すれば明らかに別種です。
これは別の葉の集団です。交尾中の雌雄が多いことから見て、このように多数の個体が集まる目的は交尾相手を確保することにあるのかも知れません。この程度の大きさで見ると翅の反射が意外にきれいです。
葉に少しでも触れると一斉にぼろぼろとこぼれ落ちるように逃げてしまうのですが、何匹かは踏み止まってくれたのでどうにかアップが撮ることが出来ました。tukikさんの撮られたものでは雌雄が背腹を逆にした交尾姿勢が目立っていましたが、今回見たものはみな同じ方を向いています。さらに胸部や翅の外形、また翅脈や脚の色も異なるので別種でしょう。いつものMNDで翅脈の絵合わせを試みると、Cu-A2脈の大きな湾曲やr-m脈の位置などがRhegmoclema属に似ていると思いますが、他にも似た属があるのかも知れません。翅端まで2.5mm前後です。
(2012.06.15・学が丘北公園)
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コメント
こんばんは。
6月20日に裏山のソヨゴの葉の表でこれに似た塊を見かけました。
チラッと写真を撮ってスルーしてしまいました(^_^;)
今見直してみると、みんな同じ方を向いていて、交尾中のペアは1組だけのようです。
探究心不足を反省します。
おちゃたてむしさんの撮られたオナガグモの出嚢の記事にリンクさせていただきました。
事後報告になってしまって、申し訳ありません。
投稿: 夏子 | 2012年7月 4日 (水) 00時23分
夏子さん、こんにちは。
こんな集団を作るのがこの仲間の特徴なんですかね。tukikuさんの撮られたものと私の撮ったものは別種のようですが、夏子さんの見られたものもまた違う種なのかも知れませんね。
古いオナガグモの記事を宣伝していただいてありがとうございます。行き当たりばったりの私が見ることが出来たくらいですから、夏子さんも必ず出嚢の場面に出会えると思います。
投稿: おちゃたてむし | 2012年7月 4日 (水) 16時32分