ハバチの一種(Cladius sp.)の産卵(改題)
* 2012.06.09・追記とタイトル変更 *
Hepotaさんとezo-aphidさんからのコメントで、このハチはヒゲナガハバチ科のCladius属、そのなかでもサクラヒメハバチの可能性が高くなってきました。タイトルを変更して属名を入れておきます。
仕事場近くの緑地のサクラで、しばらく前からよく見かけていた黒いハバチが葉裏に産卵していました。探し方が悪いのか、今のところ図鑑やネット画像で似たものを見つけることができないので、とりあえず種名不詳です。
上はちょうど産卵管を差し込み始めたところだったのでしょうが、撮影に驚いてそのまま逃げてしまいました。下は近くの葉にいた別個体で、ともに体長は6.5mmほどです。
4日後、同じ場所で。やはり主脈に産卵しています。最初の個体よりかなり小さく、体長5mmほどです。
更に3日後、一角のサクラでこんな幼虫が何匹か見られました。ハバチ類には間違いなさそうですが、産卵を見たものと同種かどうかはわかりません。体長約5.5mmです。
(1~2枚目:2012.05.31/3枚目:2012.06.04/4~5枚目:2012.06.07・神戸市中央区)
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コメント
おはようございます。
幼虫の方はこれですね。
http://tamagaro.net/n/0019.htm
少し前幼虫図鑑さんの掲示板に、飼育に成功したという報告がありました(28385で検索してください)。残念ながら成虫の名前はわかりませんでしたが。
秋にも見ており、多化性だと飼育は比較的簡単なので、また挑戦してみたいと思ってますが、こっちにもいるといいんですが…
投稿: Hepota | 2012年6月 9日 (土) 09時55分
成虫の翅脈を見ると、ヒゲナガハバチ亜科のCladius属のようです。日本産11種のうちで、サクラにかかわるのはサクラヒメハバチだけのようですが姿を確認できません。
投稿: ezo-aphid | 2012年6月 9日 (土) 18時53分
Hepotaさん、こんばんは。
ほんとですね、顔つきがそっくりです。成虫の方ばかり探していて気付きませんでした。
幼虫図鑑の掲示板でHepotaさんがアヤシイと書いておられたサクラヒメハバチですが、北大の標本写真を見ると翅脈はほぼ一致するようです。他にも参照できる図があればいいのですが。
ezo-aphidさん、こんばんは。
サクラの害虫であれば身元はすぐに判明するかと思っていたのですが、あまり多くない種なんでしょうか。とりあえずタイトルには属名を入れておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年6月 9日 (土) 20時22分
そういえば幼虫図鑑さんのときに調べて、こちらの文献に
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/9565
脛節とフ節が褐色がかっているような記述があって(よくわかってないのですが)、
"Colour entirely black, but apices of mandibles, tibiae and tarsi more or less brownish."
それでこれかなぁと思ったのを思い出しました。
『大阪府のハバチ・キバチ類』には文章しか載ってませんが、「腿節や脛節はやや褐色を帯びる」と違うことが書かれており、私はこちらが間違いかと思ったのですが、どうなんでしょうね。
それから『大阪府の〜』では、サクラヒメハバチはTrichiocampus属に収められています。研究者によって意見が違っているようです。
投稿: | 2012年6月 9日 (土) 21時46分
すみません名前が抜けてました。上のコメントはHepotaでございます。
投稿: Hepota | 2012年6月 9日 (土) 22時48分
Cladius属にTrichiocampus属を含めて11種とした下記目録の著者は、『大阪府の〜』と同じ吉田浩史さんのようです。
日本産ハバチ・キバチ類目録(2012年3月20日更新):更新履歴を見ると、「基本的には"World Catalog of Symphyta" (Taeger et al., 2010; Zootaxa, 2580: 1-1064)に従い改訂、ただし・・・・再検討が必要と思われる」
投稿: ezo-aphid | 2012年6月 9日 (土) 23時35分
Hepotaさん、おはようございます。
脛節とふ節が褐色がかっている、を採れば写真の特徴に一致しますね。
属名表記は、私が参照したものもTrichiocampus属になっていたのですが、違うことに気付いていませんでした。よく見ておかないと駄目ですね。
ezo-aphidさん、おはようございます。
種名を調べていると図鑑や参照サイトによって属名表記が異なることはよくありますが、結構頻繁に変更があるものなんですね。タイトルはCladius属のままにしておきます。
お二方とも、いろいろ調べていただいて有難うございます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年6月10日 (日) 06時47分