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2012年7月 9日 (月)

トゲツヤイシアブの羽化

薄暗い林の中、ポケットライトを頼りにアラカシの枯れ木を調べていると、頭上の幹から何やら大きな白いものがとび出していました。

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やっと手の届くくらいの高さなのでとりあえず片手でカメラを持ち上げてオートフォーカスを頼りに撮りまくり、何とかピントの合っていたのがこれです。こんな場所で羽化するのはスカシバか、と最初考えたましたがムシヒキアブの仲間のようです。

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2分後、近くから引きずってきた切り石の上に立って何とかファインダを覗けるようになった時には、体の大部分が出てきていました。

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更に1分ほどで完全に抜け出しました。腹端を見るとオスのようですが、かなり大型のムシヒキアブです。

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背面を撮るには場所が高すぎるので、手で追って下に降りてきて貰いました。殻を離れて10分足らずでほぼ翅が伸びきっています。
さてこのアブの種名ですが、体型はオオイシアブに似ていると思ったものの過去にこの場所では見た記憶がないし、あちらは全身がもっと毛むくじゃらです。そこで「みんなで作る双翅目図鑑」の「ムシヒキアブ図鑑」からイシアブ亜科の標本写真を眺めてみると、トゲツヤイシアブ(トゲツヤヘラクチイシアブ) Pogonossoma funebre に特徴が一致することがわかりました。酷似種がいなければこれで合っていると思います。

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元の木から引っ張り出した
蛹の抜け殻です。オオイシアブの幼虫は朽木で育つそうですが、ムシヒキアブがこんな硬そうな枯れ木で育つとはちょっと意外でした。

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この場所では初めて見る種のような気がしていたのですが、古い写真を探すと出てきました。少なくともこの公園では多いものではなさそうです。

(2012.06.26/最後の1枚のみ2001.07.12・明石公園)

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双翅目」カテゴリの記事

コメント

こんにちは、おちゃたてむしさん。
いつも面白いシーンを撮られていて羨ましいです。
私は、去年の9月と10月それぞれ横浜の違う公園で撮ってるのですが
ムシヒキアブの中では数が少ないのかも知れませんね。

投稿: ジャワカ零 | 2012年7月 9日 (月) 11時54分

おちゃたてむしさん、こんにちは。
ムービーで記録したくなるような変化です。本当に面白い観察をされてますね。眼福でした。

投稿: ひげぶと | 2012年7月 9日 (月) 13時00分

セミの抜け殻や羽化はよく見る機会がありますが、ムシヒキアブの羽化が見られるなんて!ほんと眼福ですね。すばらしい。

投稿: BABA | 2012年7月 9日 (月) 15時13分

ジャワカ零さん、こんばんは。
こちらではあまり多くないようで、正常な体色の成虫の写真を探したのですが古くて写りの悪いものしか出てきませんでした。ジャワカ零さんのお写真は自然光撮影でしょうか、真っ黒なアブの光沢や質感が忠実に再現されていますね。

ひげぶとさん、こんばんは。
今回はとても運が良かったと思いながら、できればもう数分早く見つけたかったという悔しさも残ります。おそらく通常は夜間に羽化するはずのものが何らかの理由で遅れていたんでしょう。やはり幸運に感謝すべきですね。

BABAさん、こんばんは。
予備知識が全く無かったので、枯れ木からこんなものが出てきたのには驚きました。長年同じ場所で虫探しをしていると目新しいものにお目にかかりることは少ないですが、偶にびっくりするようなものに出くわすこともありますね。

投稿: おちゃたてむし | 2012年7月 9日 (月) 21時22分

え、この羽化は明け方(5時ころ?)のことなんですか。
驚くのは、このムシヒキアブを10年前にすでに撮られていて、それをちゃんと見つけ出してこられることです(標本箱のように、群別に整理されてるんでしょうねー)。
蛹の形はオニコケシですなぁ。脱出孔のフタ部分をあけるのに、これらのトゲを総動員して、最後のひと押しに使うのでしょう。

投稿: ezo-aphid | 2012年7月 9日 (月) 21時57分

ezo-aphidさん、こんばんは。
すみません、表現がちょっと悪かったですね。撮影したのはお昼頃でした。
フィルム時代の写真は古いものから順に主なものをスキャナで取り込んであるので、すぐに見つかりました。逆に最近のものはまだ取り込み作業が済んでいないので、探すのは大変です。ほとんど撮りっぱなしなので、このムシヒキの種名も今回初めて知りました。
蛹の頭部はずいぶん変わった格好だとは思いましたが、脱出時の使い道には思い至りませんでした。ハチやカミキリムシの強力なアゴに代わる何らかの道具が必要なわけですね。

投稿: おちゃたてむし | 2012年7月 9日 (月) 22時28分

こんばんは。

 トゲツヤイシアブ・・・一回しか見た事がありません。
前向きの双眼鏡のような複眼が見ていてワクワクしました。

 トンボ探しのときに見つけて、ずっと探していますがいませんね。
個体数が少ないのかなぁ。

投稿: syuichi | 2012年7月 9日 (月) 22時58分

syuichiさん、こんにちは。
こちらでも少し山に入るとオオイシアブはよく見かけますが、この種は多くなさそうです。ムシヒキの中でもイシアブの仲間は、こわい毛や太い脚がいかにも強そうですね。

投稿: おちゃたてむし | 2012年7月10日 (火) 17時00分

こんばんは、おちゃたてむしさん。

>ジャワカ零さんのお写真は自然光撮影でしょうか、

この写真撮った頃は、eBAYで安かったLEDのリング・ライト(3千円一寸だった)を使っていた頃なんですが、これは写りからして多分使ってないと思います。
今は、フラッシュ使ってる時が結構多いですが、ディフューザが悩みの種です。

投稿: ジャワカ零 | 2012年7月10日 (火) 21時33分

ジャワカ零さん、おはようございます。
やはり自然光はいいですね。そう思いながら、私の場合はつい横着をして何でもかんでもフラッシュを使ってしまいます。ディフーザはあまり大きいと邪魔になるし、小さいと効果がないし、苦労しますね。

投稿: おちゃたてむし | 2012年7月11日 (水) 06時28分

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