コマユバチ科の一種
* 2012.11.11・追記 *
わたなべさんから、この種はフチガシラコマユバチ亜科かそれに近縁なグループ(Brachistinae亜科など)であると教えていただきました。詳しくはコメントをご覧下さい。
枯れ木の虫が続きます。普段通っている街中の公園では草原と呼べる部分がほとんどなく、片隅に生えてくる雑草も伸びる間もなく刈られてしまうので、どうしても樹木と関係のある虫が中心になってしまいます。今回もモチノキの幹の枯死した部分で産卵していた小型のハチです。
体長2.2mmくらいで、コマユバチの一種だと思います。一週間ほど前のやはり枯れ木に産卵していた小型のハチの記事にezo-aphidさんからいただいたコメントに、コウラコマユバチ亜科という名が挙げられていたのでそちらを疑ってみたのですが、ネット画像を見た限りこの写真のような長い産卵管を持っている種は見当たりません。
(2012.06.26・明石公園)
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コメント
そうですねー、違うようです。「Illustrated key to the subfamilies of the Holarctic Braconidae」(Achterberg,1990)というのはご紹介済みでしたっけ?
その9頁中段に、この画像と合いそうな図があります。上段はコウラコマユバチ亜科の図ですがそれとの違いが判ると思います。しかし、残念ながら、この亜科名は細部を確認できないのでうまくたどりつけません。キンケコウラコマユバチ亜科Sigalphinae だろうと思っているのですが、それらは蛾類幼虫に内部寄生するのだそうです。
投稿: ezo-aphid | 2012年7月10日 (火) 19時38分
ezo-aphid さん、こんばんは。
ほんとに沢山の資料をご存知なんですね。今回ご紹介いただいたものも初めてですが、すかさず出てくるので驚きます。
写真では翅脈がいまひとつはっきりしませんが、お示しいただいた図を見ると腹部の節など、確かに共通点が多いですね。例によって図を比べるしか能がないので、あとはお任せするしかありません。ただ寄主が蛾類幼虫だとすれば、枯れ木内部で育つ種はあまり多くないと思うのですが・・・。
投稿: おちゃたてむし | 2012年7月10日 (火) 21時06分
確かにメジャーではなさそうです。ただし、朽木食の昆虫というモノ自体が(応用にかかわらないので)あまり調べられていないため、ではないかと思ってます。飼育も面倒そうですし・・・。国内では蛾類の記録は少ないようですが、マルハキバガ科 Oecophoridaeの一群(なぜか美麗種)では確実にあります。
投稿: ezo-aphid | 2012年7月10日 (火) 22時36分
ezo-aphid さん、おはようございます。
やはり朽木食の蛾もいるんですね。確かにあまり調べられていないようで、「みんなで作る日本産蛾類図鑑」にもマルハキバガ科の幼虫画像は2種しか出ていませんでした。また一つ勉強しました。ありがとうございます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年7月11日 (水) 06時43分
写真のコマユバチはコウラコマユバチ亜科ではなく、フチガシラコマユバチ亜科かそれに近縁なグループ(Brachistinaeなど)です。キンケコウラコマユバチ亜科はタテスジコマユバチ亜科に近いので形態的には雰囲気が大分異なりますし、日本産種は大型(たいてい7mm以上)です。Brachistinae亜科のSchizoprymnus属あたりが似たような後体節背板を有していますが、私自身の知識では実物を検しない限り結論は出せません。ひとまずコマユバチ科の一種としておくのが無難だと思います。
投稿: わたなべ | 2012年11月11日 (日) 03時33分
わたなべさん、こんばんは。
いろいろな亜科名も私にはほとんど分からないので、とりあえずSchizoprymnusで検索してみると台湾やカナダのサイトで多数の標本写真を見ることができました。素人目にも腹節や翅脈など私の撮ったものによく似ているように見えますが、他にも似たグループがあるんでしょうね。タイトルはこのままにしておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年11月11日 (日) 17時16分