イスノキの実の虫孔
先日イスノキモンオナガバチの産卵を見たイスノキで、今年ついた実に脱出口らしき穴が開いているのが多いことが気になっていました。一昨年の11月初めにこのハチがイスノキの実から出てくるのを目撃しているので、問題の穴がこのハチの脱出口だとすれば年2化ということが考えられます。ezo-aphidさんのお勧めもあり、この穴の開いた実を持ち帰って切開してみることにしました。
両側から穴を開けられた実を真ん中から切断したところです。二つの種子のどちらも中身を食べられてしまっているのがわかりますが、蛹などの脱皮殻らしきものは見当たりません。
同じ倍率で撮ったイスノキモンオナガバチのメス成虫との大きさの比較です。ハチの体長は穴の長さをかなり超過しますが、蛹が収まるのには充分な大きさがあるようにも見えます。
上の写真の穴から引っ張り出したものです。袋切れ端のような形で、繭の残骸なのかも知れません。
上の袋の内容物です。糞でしょうか。脱皮殻の破片らしきものは見つかりませんでした。
計5、6個の穴の開いた実を切開してみましたが、中身はどれも同じような状態でした。
結局、これらが問題のハチの出た跡なのかどうか、比較する材料もないので私には判りません。秋になって、実際にハチの出たことを確認した実を開けてみて比較するまでは答えは出ないかも知れませんね。
(2012.08.12・明石公園で採集/成虫写真のみ2012.08.02撮影)
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コメント
ご掲載、ありがとうございます。
まじまじと眺めましたが、判ることの方が少ないですね。3・4枚目についての印象は、袋状のものはクリで言う「渋皮」にあたるもの?、沢山の小固形物は脱出孔を掘った際の種皮クズ?、のように思います(成虫と幼虫のいずれが掘削するのかは、口器を見れば判るかも)。植物食コバチ類の蛹を見たことはありませんが、おそらくマユは作らず、薄く壊れやすい蛹殻(たぶんしわくちゃの脱ぎ捨て型ではない)だろうと思います。見つからないのは残念ですが、コバチ類の食害とみて、いまのところ矛盾点は無いのかも・・・・。
ムシヒキアブやタマバエなどの蛹では、半身を外気に露出させて羽化するため、脱出孔に蛹殻が残ってることが多いので、それらとは違いそうですね。
投稿: ezo-aphid | 2012年8月14日 (火) 18時43分
ezo-aphidさん、こんばんは。
「クリの渋皮」と言われると、まさにそんな風に見えますね。また粒状の内容物もおっしゃるように掘削工事の削りクズという解釈が一番説得力がありそうです。水で延ばして顕微鏡観察でもすればもう少しはっきりするかのも知れません。こんなものを調べる方法を知らないので、とりあえず切開してみましたが、やはり私には難しいようです。昨年は観察出来ませんでしたが、この秋に再度このハチの羽化を見ることが出来れば、脱出後の実を開けて比べてみたいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2012年8月14日 (火) 22時40分