カキアシブサホソガ
イヌビワの葉裏で見つけた蛹の抜け殻です。
長衣を纏った中世の僧侶かなんぞのように見えませんか?
折りよく出会った「明石の蛾達」のYAMKENさんに、抜け殻の主はカキアシブサホソガだと教えていただきました。繭の上に並んでいる粒々は幼虫が蛹化の際に口から吐き出して並べるもので「バブル」と呼ばれているそうです。寄生者の産卵管を防ぐ役にでもたつんでしょうか。
これは別の日ですが、同じ木の葉裏で交尾していた成虫です。体長(翅端まで)は左が3.6mm、右が4mm位ですが、やはり大きい方がメスでしょうか。すぐ近くにカキの木があるので、そちらで発生しているんだろうと思います。
(抜け殻:2012.08.10/成虫:2012.08.21・明石公園)
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コメント
「バブル」の数は種によってかなり違うようですが、その効能は判っていないそうです。数個しか作らない種もいるためか、「天敵の注意をそらせるため?」という推測があるとのことです。
投稿: ezo-aphid | 2012年8月24日 (金) 18時54分
ezo-aphidさん、こんばんは。
天敵防衛のためとしても、この形は不思議ですね。
何か思いがけない役目を現に担っているか、あるいはかつて担っていたのか、はたまた何かの副産物か・・・などと想像してしまいます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年8月24日 (金) 20時56分
バブルの効果は判りませんが、私も今回幼虫がいる潜葉した葉っぱを持ち帰って気付いたことがあります。
幼虫の写真を撮るつもりだったのですが、抜け出てケースの角で繭を作ってしまいました。
取り敢えず撮影とゴソゴソしたためか、次に見たときはその繭を抜け出して別の所でまた繭を作りました。
次に見たときはこの繭も抜け出して、今度は裸のままです。そのまま蛹化してしまいました。
二つの繭のバブルは、一つ目:20個ほどでそんなに多くない、二つ目:5個ほどで小さく色もにごり気味。
このことと繭とバブルは同じ体液で作られている感じから、次の推測ができました。
この種は繭を作る体液を非常にたくさん保有しており、繭が完成した後に不用となった体液を繭の外に何回にも分けて放出しているだけ?・・・・だと。
尚、本文中の種和名が間違っていますので・・・・。
投稿: YAMKEN | 2012年8月26日 (日) 21時18分
YAMKENさん、おはようございます。
実際に飼育してみるといろんなことが起こるものなんですね。
わざわざ作った繭を2度も捨ててしまうとはもったいないですが、やはり周囲に異常を感じたための行動でしょうか。
ちょっとしたきっかけで繭を作り直す習性があるとすれば、おっしゃるように繭の材料を非常にたくさん保有しているということも頷けますね。
余分の体液をバブルの形にして放出している・・・という考えは私には浮かびませんでした。
詳しいご考察ありがとうございました。
本文中の和名、ついうっかりしていました。早速直しておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年8月27日 (月) 06時41分