タマゴクロバチの一種（?Macroteleia sp.）
ササの葉を歩いていた胴長のハチです。
タマゴクロバチの仲間だろうと思って画像検索すると、１年前のそらさんのブログでよく似た種がMacroteleia 属（クサビタマゴクロバチ）として紹介されていました。そちらの方は脚と触角以外は全身黒色で下の写真とは違いますが、同じ属ではないかと思います。属名で再度検索するといくつかの海外サイトで同じようにアメ色をした種の画像が出てきました。体長約3.6mmです。
ちょうど立ち止まって翅をしごいていたところで、腹節の長さがよく分かります。
触角は12節です。
そらさんのブログへの ezo-aphid さんのコメントによればこの属はキリギリス科の卵に寄生すると推測されているそうです。キリギリスの仲間の卵がどんなものか知りませんが、虫の卵１個で育つにしてはハチの体が大きいような気がします。何個も食べて大きくなるんでしょうか。
（2012.09.22・松陰新田）
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コメント
こんばんわ。Macroteleiaで検索して、Muesebeck(1977)さんの論文の序文を読みました。
寄主が判っているものは少ないのですが、キリギリス科のOrchelimumやConocephalusなど、ササキリ類だそうです。後者のC. saltator（成虫の体長15-20mm）では卵のサイズが１mm径×５mm長ほどですから、おおよそのところでは間に合うのではないでしょうか。この属の体長は、おおよそ３－９mmだそうですが、体長が９mmとなると、さて、考え込みますねー。
投稿: ezo-aphid | 2012年9月24日 (月) 18時51分
ezo-aphidさん、早速お調べいただきありがとうございます。
タマゴクロバチというと、お馴染みのカメムシ卵から出てくるような小さな奴をすぐに思い浮かべてしまうので、こんなに大きな（？）のがいることにちょっと驚いた次第です。確かに長さ5ｍｍの卵なら充分でしょうね。しかし体長９ｍｍに見合う卵はと言うとどんなものがあるんでしょう。岩田久仁雄さんはクマバチの卵が恐らく昆虫界で最大ではないかと書いておられましたが・・・。
投稿: おちゃたてむし | 2012年9月24日 (月) 21時17分
おちゃたてむしさん、ezo-aphidさん こんばんは。
文献をいろいろと転がしてみますと、私が確認できた範囲では、日本からは少なくとも以下の4種が記録されています。
1. Macroteleia aurea Kozlov et Kononova, 1987
2. Macroteleia laevifrons Kozlov, 1971
3. Macroteleia punctifrons Kozlov, 1971
4. Macroteleia rufa Szeltnyi, 1941
標本を詳細に見てみないともちろんなんとも言えませんが、学名から考えると１や４などが候補にあがりそうですね。
投稿: ひげぶと | 2012年9月26日 (水) 21時52分
ひげぶとさん、おはようございます。
お手数おかけします。金色と赤、どちらでしょうか。
それにしてもこの細長いのがよく見る小さくてずんぐりした奴と同じ亜科とは思えませんね。
投稿: おちゃたてむし | 2012年9月27日 (木) 06時48分
おちゃたてむしさん こんばんは！
確かにプロポーションには大きな違いが見えますが、
詳しく見れば見るほど、なるほど同じ亜科だ！と納得できるんです。
投稿: ひげぶと | 2012年9月27日 (木) 19時35分
ひげぶとさん、こんばんは。
素人はつい大雑把に見た目の印象でイメージを作ってしまいますが、見る人が見ればその亜科特有の共通点が色々見えてくるんでしょうね。私ももぼちぼちと見る眼を養っていければと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2012年9月27日 (木) 20時50分
おちゃたてむしさん、こんにちは。
Macroteleiaのロシアの文献を訳しました。
そらさんの写真で検索表をテストしてみたところ、１発で種名が判明しました。
Macroteleiaの場合、写真から同定するには、腹部の比率＞各翅脈の比率＞胸部形態＞色彩＞全体のサイズなどが確認できれば、ある程度追っかけられそうなことが分かりました。
投稿: ひげぶと | 2015年1月20日 (火) 17時13分
ひげぶとさん、こんばんは。
ロシアの文献を翻訳されたとは恐れ入ります。
そらさんの記事へのコメントも拝見しました。生態写真からでも種まで同定できる可能性があるというのは嬉しいですね。
ここしばらくタマゴクロバには縁がありませんが、またいろいろ教えて下さい。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2015年1月20日 (火) 22時23分