ムネアブラムシの一種?
はじめカイガラムシだと思って撮り始めたのですが、よく見れば以前同じアラカシのひこばえで撮影したイスノフシアブラムシに似ていて、同じムネアブラムシ族の一種ではないかと思います。
白い粉を吹いた大きいのが成虫だと思います。体長1.4~1.5mm、ぽっかり穴の開いたのは寄生虫の犠牲になったのでしょうか。
イスノフシアブラムシの成虫では6本の短い脚も見えていましたが、ここではそれも見えません。多分体の下部をとり巻くロウ物質に隠れているんだろうと思います。
大小の幼虫達。右上の小さいので0.6mm、一番大きいので0.9mmくらいです。
(2012.11.08・明石公園)
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コメント
カシ類には多くのムネアブラムシが寄生しますが、多くは体長1mm未満で葉に寄生するようです。
そちらでモンゼンイスアブラムシ Nipponaphis monzeni のゴールは見られるでしょうか?
三重県あたりの観察(宗林、1976)では、「10月中下旬にイスノキから飛来した有翅胎生虫は、アラカシの葉に静止して短時間に産子する。生まれた子虫は小枝に移り、11月上旬に無翅胎生虫となる。無翅胎生虫は体長1.5mm、12月下旬から3月中旬まで産子する。4月上旬に有翅胎生虫が現れて、イスノキに移って卵生雌と無翅雄を産む。」となっています。その無翅胎生虫には角状管(小孔)があるはずなのですが、ここではよく見えませんね。
アラカシの枝には、カシムネアブラムシ Dermaphis japonensis も寄生するそうですが、こちらは体長1.1-1.8mmで角状管(小孔)がありません。また有翅虫も知られていないそうです。
よい参考図も見つからないので、生態情報だけですがご参考になれば・・・・。
投稿: ezo-aphid | 2012年11月16日 (金) 19時38分
ezo-aphidさん、こんばんは。
情報ありがとうございます。「アブラムシ入門図鑑」やネット画像でモンゼンイスアブラムシのゴールの写真を見てみました。この公園内のイスノキでもこれに似たものを見た記憶はあるのですが、同じものかどうか自信がありません。角状管については、写真を拡大して調べてみましたがそれらしい穴は確認出来ませんでした。差し当たり、この冬から春にかけて同じコロニーで産子や有翅成虫が見られるかどうか、またイスノキの方も注意しておきたいと思います。何か進展があれば記事で報告しますのでよろしくお願いします。
投稿: おちゃたてむし | 2012年11月16日 (金) 22時07分
ムネアブラムシ類の構造(とくに角状管)は、写真ではとても判りにくいものです。Hepotaさんともども、あれこれ戸惑っている様子が見られますのでご覧ください。2011.12.18の記事がご参考になるかと思います。
投稿: ezo-aphid | 2012年11月17日 (土) 23時38分
ezo-aphidさん、おはようございます。
Hepotaさんの写真と記事を拝見しましたが、ほんとに見えにくいものですね。コメントで紹介されている論文中の図も合わせての私の写真を改めて見直しましたが、それらしいものがあるような無いような、どうもはっきりしません。今度行った時にもう少し倍率を上げて撮影してきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年11月18日 (日) 06時45分