ヒロズコガ科Eudarcia属の幼虫ケース(改題)
*2012.11.21・追記とタイトル訂正 *
当初「ミノガ科の一種の幼虫の巣?」としていたのですが、坂井さんよりコメントをいただき、ヒロズコガ科Eudarcia属であることがわかりました。タイトルを訂正します。
アラカシの幹に貼りついていた物体です。長さ約6mm、細かい砂粒を綴り合わせて作られていて、蛾の幼虫の巣ではないかと思います。以前の記事で、やはり砂粒で出来た巣から幼虫が顔を出している写真を出したことがあって、ezo-aphidさんからミノガ科ヒロズミノガ属の一種の可能性があると教えていただきました。しかし今回のものはそれとはかなり形が違うので、類縁は遠いかも知れません。
この公園では時々目にするものですが、動いているところはまだ見たことがありません。
裏面ですが、1枚目とは左右逆向きになっています。ひょっとしたら、幼虫の巣ではなくクモか何かの卵のうでしょうか。
(2012.11.08・明石公園)
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コメント
ヒロズコガ科のEudarcia属です。
投稿: 坂井 | 2012年11月20日 (火) 07時23分
坂井さん、はじめまして。
ご教示ありがとうございます。
ヒロズコガ科でしたか。一応そっちも探してみたのですがマダラマルハ以外に幼虫の巣の画像を見つけられずにいました。それでやっぱりミノガの方かと思っていたのですが、改めてEudarciaで検索すると「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に一つ似たような巣が出てきました。
科名は外れましたが、蛾以外のものでなくてほっとしています。タイトルを直しておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2012年11月21日 (水) 06時42分
さきほど図書館に行って「日本の鱗翅類」に坂井誠さんが書かれたヒロズコガ上科Tineoideaの解説を読んできました。ミノガ科幼生期との相違点に注目してみると、おおよそですが次のような違いがあるそうです。
ミ ノ ガ 科 : ミノは円筒形、幼虫の頭胸部(?腹部にも)には黒い斑紋がある。
ヒロズコガ科: ミノはシート2枚綴りの扁平型、幼虫の頭殻は褐色で腹部は黄白色。
そうして見ると、確かにこれは砂粒径の違う2枚のシートをつづってますね。生育初期は内側の小粒、新しいものは周辺部にあって大粒、となってるようです。今更ながらですが、中の幼虫のお顔を拝見したかったです。(蛹にも触角の長さに違いがあるそうです)
Eudarcia属は、マダラマルハが属するフサクチヒロズコガ亜科(36属180種)と別の、ヒメヒロズコガ亜科(43属200種)に属し、地衣類などを食べるようです。
ヒロズミノガ属でも言ったように思いますが、この砂粒をいつどこで貼り付けるのでしょうね。
投稿: ezo-aphid | 2012年11月21日 (水) 16時23分
ezo-aphidさん、こんばんは。
ミノガ科とヒロズコガ科のミノにそのような違いがあることを初めて知りました。作り方が全く違うんですね。中の幼虫については、また機会があればミノを開けて確かめてみたいと思います。なにぶん小さいので、幼虫を傷つけないようにミノを開くのは難しそうですが。樹皮上で暮らしているように見えるのに砂粒で巣を作るというのは、時々地上に降りることがあるのか、それとも風などで幹に付着した砂粒を集めるんでしょうか。ちょっと不可解ですね。
投稿: おちゃたてむし | 2012年11月21日 (水) 22時17分