マドアリガタバチ属の一種(Sierola sp.)(改題)
* 2012.12.25・追記とタイトル変更 *
当初所属の見当がつかずただアリガタバチ科の一種、としていたのですが、ezo-aphidさんからのコメントでマドアリガタバチ属 Sierola と判明しました。タイトルを変更して属名を入れました。
12月も半ばを過ぎると活動中の虫の姿はほとんど見られなくなり、葉裏でじっとしている微小昆虫など探して歩く他なくなります。毎年飽きもせず同じ場所を徘徊しているので見つかるのはおなじみの顔ぶればかり、なかなか新顔にはお目にかかれませんが、多分これは初めてだったと思います。アリガタバチ科には間違いなさそうですが、そこから先が判りません。
体長約2.2mmで、カクレミノの葉裏で見つけました。
(2012.12.20・明石公園)
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コメント
こんばんわ。
特徴的な翅脈(縁紋から出たR脈が前縁とつながって環状となる)から、マドアリガタバチ属Sierolaに間違いないでしょう。Terayama(2003)の検索表では、S. izanami(イザナミアリガタバチ)となるのですが、種の記載(文と図)を見ないと確定できません。イザナミのタイプ標本は、農環研の「NIAES Type Specimens」HYM-177として見られるのですが、状態が悪く比較できません。
投稿: ezo-aphid | 2012年12月24日 (月) 23時42分
ezo-aphidさん、おはようございます。
3月のトサハマキの時と同様、今回もまず農環研のタイプ標本の画像に目を通したのですが、たどり着けずあきらめていました。Sierolaで画像を検索して見ましたがさすがにほとんど出てきませんね。それでも一つ、ご指摘の翅脈の特徴が確認できるものがありました。表題に属名を入れておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年12月25日 (火) 07時49分
ハワイでは200種近くもいる大属だそうです(旧北区からはたった3種!!)。「Sierola Australia」でネット検索するとワタアカミムシガに寄生するSierolaの新種記載報文が見られ、不明瞭ながら翅脈写真がのっています。
投稿: ezo-aphid | 2012年12月25日 (火) 08時42分
ezo-aphidさん、こんばんは。
ハワイで200種ですか。日本でも実際にはもっとたくさんいるんでしょうね。
お示しいただいた報文の写真で縁紋やR脈の特徴が上の写真とよく一致することが分かりました。触角もほぼこの通りのようです。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2012年12月25日 (火) 20時07分
大学図書館に行ったついでに、もいちどテキストを見てきたところ、検索表の読み違いをしてたことに気づきました(スミマセン)。
日本のSierola属には3種(ashmeadi, shimotsukeana, izanami)がいて、丸顔で全脛節が黄色いのはシモツケアリガタバチとなります。これは、雌の体長1.9mmで、栃木・神奈川・京都と近辺でも採れてるので、最有力候補です。
投稿: ezo-aphid | 2013年1月24日 (木) 19時24分
ezo-aphidさん、こんばんは。
何度もお調べいただきありがとうございます。
「丸顔」は他の種を知らないのでよく分かりませんが、全脛節が黄色いというのはぴったり合います。体長もほぼ一致して、可能性は高そうですね。
投稿: おちゃたてむし | 2013年1月24日 (木) 23時09分
舌足らずでしたので、追記します。
S. ashmeadiの和名はオモナガマドアリガタバチで、(背面から見て)頭部の長さは頭幅の1.5倍強(他の2種は1.2倍ほど)で、体長は2.6mmとのことです。いっぽう、イザナミは1.5mmと小型で、中脚・後脚の脛節の(両端を除く)中央部が黒褐色と記されています。
投稿: ezo-aphid | 2013年1月25日 (金) 00時00分
ezo-aphidさん、
詳しいご説明ありがとうございます。
昨夜は寝呆けていたようで、先にいただいたコメントにある脛節を跗節と取り違えていました。中脚・後脚の脛節の色に限ればイザナミの記述にも合うわけですね。でも体長については、誤差を考慮に入れても写真の個体は2mm以下ということはないと思いますから、やはりシモツケが本命でしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2013年1月25日 (金) 07時59分
わーっっ!! (・・・・・こちらは完ボケです)。
ご同様に、そもそも(ふ節を見て)脛節と見誤っておりました。ご指摘の通り、これはシモツケではありませんねー。下記のようにイザナミの可能性も高いのですが、この画像には「前脛節と触角に褐色部があり、触角第2節が幅の2倍くらいある」のがひっかかります。NIAESのタイプ標本の写真もすっきりしませんが、それと見くらべても個体変異なのか別種なのか判定できませんねー。当座の結論は「?izanami」ですかねぇ。
イザナミ:全ふ節・前脛節と触角が黄色。触角13節のうち第2節の長さは幅と同じくらい。体長1.8mmの雌を含め、新潟・広島で計3頭採集されている。
投稿: ezo-aphid | 2013年1月25日 (金) 10時17分
なんと、ezo-aphidさんまで同じ勘違いをされていたとすれば私のは言い訳が立ちそうですね。ご指摘の前脛節と触角の色や触角第2節の形はこの写真でもはっきり確認できるので、イザナミとするのは無理があるような気もします。個体変異の範囲内なのかも知れませんが、とりあえずタイトルはこのままにしておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2013年1月25日 (金) 20時30分