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2012年12月26日 (水)

クダアザミウマ科 Hoplandrothrips ?ryukyuensis と ?Ponticulothrips diospyrosi(改題)

* 2013.09.10・追記とタイトル変更 *

SOさんから下の2種について教えていただきました。(コメント参照)

その1.は Hoplandrothrips 属の一種の雄で、H.ryukyuensis に最も近く、同種の可能性もあり。

その2.は写真ではよく分からないが、私的に、直感的には Ponticulothrips diospyrosi カキクダアザミウマだと思う。

ということです。タイトルにそれぞれの種名を(確定的ではない部分には?を付けて)加えておきます。

微小昆虫が続きますが・・・。クダアザミウマ科の2種です。
ほぼ同じ大きさでよく似ていますが脚の色や前脚の太さ、触角の形などに違いがあります。雌雄の差という可能性もあるかも知れませんが、おそらく別種だろうと思います。

その1.
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ヤツデの葉の裏にいました。体長約2.3mm

その2
_dsc97422_2

_dsc97572
こちらは僅かに小さく体長2.2mmくらい。ハランの葉の上で、クモの糸の下に潜りこむような形でじっとしていました。

(2012.12.20・明石公園)

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アザミウマ目」カテゴリの記事

コメント

クダアザミウマ生体の撮影画像で属名を検索することはできないことと諦め、Okajima(2006)に記された状況証拠から属名を絞り込んでみました。

「日本のクダアザミウマ目」には75属235種が載っていますが、その半数は南方系で、九州以北に分布する種数はざっと120種(属数は48と多め)です。それらが採れた環境は、枯枝・枯木や枯葉堆積層に多く、生葉に見つかるものはごく少数派です。つまり、(たぶんですが)クダアザミウマの多くは菌食性や捕食性なのではないかと思います。本州産の属で、イネ科(タケ・ササ類など)に見つかるものや生葉にゴールを作るものを除くと、HaplothripsとLiothripsくらいしか残りません(ほかにコケ類を食べるLissothrips、高木の生葉にいるLitotetothrips、Psephenothrips、その他数属がありますが)。

Liothripsはほとんどが食植性ですが、それらは種ごとに好みの植物が(ある程度)決まってるようです。本州の生葉には17種がみられますが、シシウド、ユリ(鱗茎)、ワサビ、カンボク、ゴマギ、オモト、クロバイ、スダジイ、クスノキ、ヒサカキ、リンドウ、ヤブニッケイ、マユミ、サンゴジュのそれぞれから1種ずつ採れています。(・・・・この属の可能性は低そうです)
一方、Haplothripsについては、「各種の植物に最も普通に見られるクダアザミウマである」とされ、食性はやや不明瞭でさまざまのようです。本州産で各種植物に普通な種は次の通りです。 H. nipponicus:雌の体長1.6-2.2mm、 H. brevitubus(捕食性?):雌の体長1.8-2.3mm、  H. kurdjumovi(ダニ類や鱗翅目の卵を捕食):雌の体長1.8-2.3mm。

たまたま見かけた1匹のアザミウマが、このような生態情報とぴったり合うとは限りませんが、まずHaplothripsの3種について、検討する必要があるだろうと思います。

投稿: ezo-aphid | 2012年12月27日 (木) 19時20分

ezo-aphidさん、こんばんは。
「日本のクダアザミウマ亜目」は例の高価な本ですよね。ほんとにお手数おかけして恐縮です。この仲間で生葉に見つかるものがごく少ないということは知りませんでした。ツノオオアザミウマ属を葉裏などで見ることが多いもので、この仲間で生葉に見つかるものが少数派だとは考えていませんでしたが、他の種は確かに朽ち木の樹皮下などで見ることの方が多いように思います。そんな場所で暮らしている連中がわざわざ葉の上などに出てきて冬を越すということは考えにくいですね。それにしても九州以北だけで48属もある中で生息場所の情報だけで1属3種にまで候補を絞り込むことが出来るとは驚きました。私のような文献に弱い素人には及びもつかないことです。ありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2012年12月28日 (金) 00時15分

手をつけられない悔し紛れに、むりやりな推測したようなものですが。いくらかでもお役にたてば幸いです。

昆虫の分類を研究する人は、手間をかけずに短時間で多くの種を採集しようとするために、収集標本に偏りができることがあります。つまり、トラップや(環境などの)狙い採りをすることなのですが、丁寧な「見つけ採り」を怠りがちです。岡島さんの採集法はどのようなものか知りませんが、生葉での採集が不十分であれば、上記のような属の絞り込み方は大いに問題があります。それと、ホントは枯葉好きなのに、たまたま生葉にいたものにも使えませんね。

投稿: ezo-aphid | 2012年12月28日 (金) 18時16分

ezo-aphidさん、
なるほど、そういう要素も考えなくてはならないんですね。特にアザミウマの研究者なんて全国でも数えるほどでしょうから、採集方法や場所の選定などに偏りがあれば(全くないと言うことはあり得ないでしょうから)影響は大きいのでしょう。勉強になりました。

投稿: おちゃたてむし | 2012年12月28日 (金) 21時09分

その1の方はHoplandrothrips属の一種のオスです。Hoplandrothrips ryukyuensisに最も近く、同種の可能性もあります。食菌性で、ヤツデにいたのは偶然です。その2の方は写真ではよくわかりません。私的には直感的ではありますがPonticulothrips diospyrosi カキクダアザミウマだと思っています。

投稿: SO | 2013年9月10日 (火) 14時10分

SOさん、こんばんは。
いくつもの記事に目を通していただきありがとうございます。
その1は見つけた場所がヤツデの葉裏だったのでezo-aphidさんがその線で調べてくださっていたのですが、本来の生息場所ではなかったのですね。ezo-aphidさん、惑わせてしまってすみませんでした。
教えていただいた種名をタイトルに加えておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2013年9月10日 (火) 20時10分

こんばんわ。SOさんのお陰で、ずいぶんと多くの種の所属が判りましたねー。
やはり、ある程度まで形で判別できないと、素人は迷宮へ行ってしまいますね。

カキクダアザミウマの生態については、「農作物のアザミウマ」に詳しく載っています。簡単に言うと、年1化・成虫越冬で、幼虫は5-6月に柿の若葉(縁の上面を内側に巻いたゴール内部にいる)や、幼果のヘタ付近で表面を摂食したりして生育し、6月後半から成虫になります。熟果表面には、被害痕が拡大して帯状の斑点ができます。このような特徴を示す柿の木が近くにあれば、間違いないでしょう。成虫は、カキ・アカマツ・ヒノキ・クヌギなどの粗皮下を好んで越冬場所にするとのことです。
いずれにしろ、1頭きりしか見つからない場合は、状況証拠はあまり役立ちませんが(ご参考までに)。

投稿: ezo-aphid | 2013年9月12日 (木) 18時27分

ezo-aphidさん、こんばんは。
専門家の方に直接教えていただくとは思いがけないことでした。このような生態写真でも分かる人が見れば属や場合によっては種まで同定できるということはとても励みになります。
カキクダアザミウマの生態に詳しくお調べいただいてありがとうございます。これを撮った公園にもあちこちにカキの木があるのですが特に注意して見たことがありませんでした。こういう微小な種は漠然と眺めているだけではなかなか気がつかないので、いただいた情報を手がかりにして探せば結構いるものなのかも知れません。今後気をつけておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2013年9月12日 (木) 20時32分

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