クロツヤバエ科の一種(?Lonchaea sp.)(改題)
* 2013.01.09・訂正と写真追加 *
ezo-aphidさんからのコメントによれば属の判定には胸部側面の刺毛 を見る必要があるということなので、その部分の拡大像を記事の最後に追加しました。また同じコメントで4枚目の写真で触角第2節としているのは第3節の間違いであるとご指摘いただきましたので訂正しました。
* 2013.05.03・追記とタイトル修正 *
その後、同種と思われるハエが伐採木の切断面に産卵しているのを見つけました。コメントの中でezo-aphidさんが有力候補として挙げられているLonchaea属の幼虫はキクイムシ等の坑道で頻繁に見つかるということで、産卵場所から考えて写真の種もこの属の可能性が高くなったと思います。ということで、タイトルに?付きで属名を加えました。
落ち葉の間に潜んでいたハエです。前の冬にBABAさんのブログにクロツヤバエ科の一種として紹介されていた種と同じか、近い種だと思われます。同種だとすればこちらの方が複眼の間が狭いようなので雄でしょう。体長約4mmです。そらさんのところにも同科と思われる種が掲載されています。
横から見ると胸部が大きく膨らみ、それに比べて腹部はぺしゃんこです。
おかげで全体にピントが来ません。
小楯板周りのアップです。
触角第2節第3節がリボンのように長く垂れ下がっています。
胸部側面の追加画像
(212.12.25・明石公園)
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コメント
こんばんわ。欧州の属の検索表がありますのでご紹介。
www.mallochsociety.org.uk/storage/pdfs/genera_key.pdf
写真の側面図では、判別の手がかりとなる刺毛がよく見えないのですが、最も種類数が多いという(wikipedia参照)Lonchaea属と仮定してみても、矛盾点を見つけられません。触角基部の直上の半月コブ(lunule)に毛が見えるので、Earomyiini族ではないことは確実です。
触角は、他の昆虫と同様に、柄節・梗節・鞭節の順にあるので、この細長いのは3節目の鞭節にあたるそうです。
投稿: ezo-aphid | 2013年1月 8日 (火) 18時55分
ezo-aphidさん、こんばんは。
すみません、今回も肝腎の部分が見えませんでしたか。ご紹介いただいた検索表を見ると、Katepisternum(中胸下前側板、でいいんでしょうか)の刺毛が問題なんですね。そこのところが見えそうなカットを拡大してみたのですが、太い刺毛が2本あるのがどうにか確認できます。これに触角の特徴を加えるとSilba属ということになると思うのですがどうでしょうか。拡大画像を追加しておきますのでご意見お聞かせください。
触角の節については、私は触角刺毛のことを第3節だと勘違いしていました。訂正しておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2013年1月 9日 (水) 21時00分
お手数をおかけします。
すぐに要望カットが出てくるなんて流石です。
改めて拡大してみて、検索表1のPost stigmatical hairsは無さそうなので、やはりDasiops属ではないだろう、としました。ずっと進んで、6のKatepisternumには2本の刺毛があるので7に行き、鞭節は長いのでSilba属に行くことになりそうです。ですが、触角刺毛が羽毛状とは見えそうにないのが、どうも腑に落ちません。そこで、類似基準の検索表があるMNDを見ると、7のあとにLonchaea属(・・・触角刺毛が短い)がもう一度出てきます。さらに読み進めると、前基節の間にあるというProsternumが有毛ならSilba属、無毛ならLonchaea属という判定になるようです。・・・・・ただし、これは(ハエでは使われる形質なのですが)腹面からでないと見えないので、生体画像ではムチャですが。
投稿: | 2013年1月 9日 (水) 22時27分
ezo-aphidさん、おはようございます。
お手数おかけします。私は検索表6以下しか見ていませんでしたが、確かに私の写真では触角刺毛が羽毛状には見えません。胸部の刺毛が確認できて属は決まりかと思いましたがそう簡単にはいかないわけですね。タイトルはこのままにしておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2013年1月10日 (木) 06時45分