カシケクダアブラムシ Allotrichosiphum kashicola (Kurisaki)(改題)
* 2013.04.24・追記とタイトル変更 *
種名不明のまま「ケクダアブラムシ亜科の一種」として出していたのですが早速 ezo-aphid さんから、カシケクダアブラムシ Allotrichosiphum kashicola (Kurisaki) であろうと教えていただきました。関西では年2世代で、1・2枚目の雌が越冬卵から孵化した幹母、4~6枚目の有翅成虫は第2世代で淡色のが雄、腹部に斑紋のあるのが雌だそうです。またこの有翅雌は卵生ですが地域によっては胎生の有翅雌も現れるということです。
この時期いつもの公園のアラカシでごく普通に見かけるアブラムシです。これまで名前も調べず放置していたのですが、今回記事にしようと思って調べてみると意外にぴったりくるものが見つかりません。ケクダアブラムシ亜科には間違いないと思います。
雌成虫とそこから生まれた幼虫たちでしょう。体長は成虫約2.7mm、幼虫1mm前後です。
雌のお腹に見える赤い点々(左)は出産前の幼虫の眼(右は出産後の幼虫)が透けて見えているもののようです。ミジンコみたいですね。
(2013.04.15・明石公園)
ついでに出しておこうと過去の写真を探したのですが、いつでも見られると思っていたせいかあまり良いものが見つかりません。撮影場所はすべて同じです。
生まれた幼虫が大きくなってくると、こんなふうに葉の主脈に沿ってぶら下がるような格好で並んでいるのが見られます。
(2008.04.01)
有翅成虫と有翅幼虫。
これは雌でしょうか。体長約3mmです。
(2010.05.02)
交尾です。
(2009.05.01)
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コメント
カシケクダアブラムシ Allotrichosiphum kashicola (Kurisaki)だと思います。
宗林(1976)さんの記述「森林防疫25(4):47」によくあってますので。関西では年2世代、つまり4月中旬に幹母成虫が、ついで有翅の卵生雌と雄が現れ、葉裏の窪みに産卵するそうです。無翅淡色の成虫は(越冬卵から孵化した)幹母で、有翅淡色は雄にあたります。
ここに載った腹部に斑紋が有翅虫は卵生雌のはずですが、地域によっては現れるという有翅胎生雌との見わけかたについては判りません。
投稿: ezo-aphid | 2013年4月24日 (水) 09時02分
ezo-aphidさん、早速のコメントありがとうございます。
大型でよく目立つアブラムシなのですぐに身元が割れると思ったのですが、いくら探しても似たものが見つからないので慌てていました。それにしても教えていただいた和名や学名で検索しても全く画像が出てこないのは不思議ですね。明石公園ではごく普通なのですが・・・。タイトルに種名を入れておきます。
これからが有翅虫が出て来る季節のようなので卵生雌の産卵や、いるとすれば胎生雌の出産も撮影したいものです。
投稿: おちゃたてむし | 2013年4月24日 (水) 20時18分