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2013年5月29日 (水)

サツマキジラミ幼虫とヒメコバチ科(?Tamarixia sp.)の幼虫(改題)

* 2014.04.03・追記とタイトル変更 *

キジラミ幼虫の腹面についているのが何者なのか謎だったのですが、BABAさんからのコメントとご本人のブログ記事で正体が判明しました。ヒモコバチ科Tetrastichinae亜科の一種のようで、こちらと同じ種かもしれません。ただ下の写真のキジラミ幼虫は寄主としては小さ過ぎるようで、母バチの手違いだった可能性が高そうです。詳しくは上記BABAさんの記事をご覧ください。タイトルを変更しました。

1ヶ月近く前の写真で写りも悪いんですが、ちょっと気になるので忘れないうちに出しておきます。
シャリンバイの葉裏に妙な姿勢でくっついていた、
体長1mm足らずのサツマキジラミの幼虫です。

_dsc78352
はじめ脱皮中かと思ったのですが・・・。

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腹側を見ればなにやらウジムシのようなものがくっついています。
角度を変えて何枚か撮ってみましたが小さい上に色が薄く、どうも輪郭がはっきりしません。状況から見て寄生虫ではないかと思ったのですが、キジラミ幼虫に外部寄生する虫もいるんでしょうか。

(2013.05.01・神戸市中央区)

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コメント

困りましたねー、想定できるものがありません。
「寄生蜂の解説」で、寄生の方法(外部寄生)の項を見ると、「寄主の種類にはこだわらないが、寄主が何かに覆われていないとハチ幼虫も危険です」とあり、存在に否定的な見解です。
また、コバチ上科の寄生方法を調べてみると、外部寄生のほとんどは閉鎖環境内で行われ、自由生活する幼虫に外部寄生する例は「(Euplectrus属など)ヒメコバチ科の一部が蛾類幼虫に寄生」だけのようです。また、半翅目など不完全変態の幼虫・成虫には、内部寄生する例しかなさそうです。 
難しいことですが、今後の経過を追跡して見るしかないように思います。

投稿: ezo-aphid | 2013年5月29日 (水) 19時04分

ezo-aphidさん、こんばんは。
困らせてしまって申し訳ありません。
記事を書いてから思い出したんですが、カマバチの仲間がウンカ類に寄生しますね。この仲間がキジラミにも・・・と考えるのは無理でしょうか。寄主が小さ過ぎるかも知れませんが。
「今後の経過」ですが、撮影時にはくっついているものが寄生虫かどうかもよく分からなかったので残念ながら採集はしていません。もし本当に外部寄生虫なら同じ場所で成長した幼虫や成虫についているのを見られる可能性もあると思いますので、注意しておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2013年5月29日 (水) 21時58分

うーむむむ、さらに困っています。
参考書では、カマバチ科の寄主はウンカ・ヨコバイ類などの同翅亜目とありますが、キジラミ類が含まれるものか不明です。幼虫は初めは内部寄生で、中途から寄主体外に(暗色や黄色の)袋状組織を作って一部突出するので、半外部寄生と呼ばれていますね。
この画像では、幼虫は体節が見えるので裸の状態ですし、白色のため目立つので無防備のように見えます。
ところで、このキジラミ幼虫は(ハチ幼虫の寄生部位に妨げられずに)吸汁を続けられそうですか? 寄主が栄養をとれないとなると、寄生者は急いで蛹化しないと困ると思うのですが。

投稿: ezo-aphid | 2013年5月29日 (水) 23時10分

ezo-aphidさん、おはようございます。
半外部寄生と言うんですか、知りませんでした。
そう言えば以前見たキボシマルウンカ幼虫に寄生したカマバチ幼虫では体節らしきものが見えないので不思議に思っていました。やはりこの仲間ではなさそうですね。
おっしゃるようにキジラミ幼虫はこの体勢では吸汁を続けられそうにありません。私はそこまで思い至りませんでしたが、確かにこれでは寄生者も成長できませんね。
この状況は何かの偶然ではないかという気もしてきましたが、もしそうでなければ再び見る機会もあると思いますので、その時はもう少しきちんと観察したいと思います。

投稿: おちゃたてむし | 2013年5月30日 (木) 06時43分

こんにちは。
寄主が小さすぎる疑問もありますが、おちゃたてむしさん2011年11月 2日 (水)の記事のヒメコバチの幼虫の可能性が高いのではと思います。多分同じだろうと思われる幼虫に遭遇しました。近いうちに記事にします。

投稿: BABA | 2014年4月 1日 (火) 13時42分

BABAさん、こんばんは。
情報ありがとうございます。
以前(2012.05.02の記事)に見たヒメコバチはサツマキジラミの体内で羽化してから出てきたので、ヒメコバチ類であれば寄主の体外に出ているはずはないと考えて除外していました。しかし同じヒメコバチでもEuplectrusのように寄主から脱出した後に繭を紡ぐものもいますから、これはそういう種なのかも知れませんね。BABAさんの記事を楽しみにしています。

投稿: おちゃたてむし | 2014年4月 1日 (火) 20時59分

すみません、想定不足でした。ヒメコバチ科のTamarixia属 のことをすっかり失念していました。 Tamarixia radiata の場合、腹面から吸汁し、1齢幼虫は長さ0.28mm×幅0.11mm、4齢(?終齢)では長さ1.14mm×幅0.59 mmだそうです。これは3齢あたりに該当するのかも。 颎

投稿: ezo-aphid | 2014年4月 3日 (木) 23時14分

ezo-aphidさん、こんばんは。
やはりTamarixia属ですか。私は内部寄生だとばかり思い込んでいました。
BABAさんの記事を見て、ちょうど昨日が休日だったので明石公園でシャリンバイを見てきたのですが、寄生を受けたキジラミ幼虫は思いのほかたくさん見つかり、若齢から蛹(前蛹?)まで各段階のコバチ幼虫が出てきました。また掲載しますのでご覧ください。

投稿: おちゃたてむし | 2014年4月 4日 (金) 20時54分

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