アベマキの葉表に産卵するタマバチの一種
アベマキの葉の表で産卵しているタマバチがいました。
以前同じ頃にまだ開ききらない新葉の裏に産卵しているタマバチを見ていますが、産卵部位も体型・体色も違うので別種でしょう。体長は2.2mmくらいです。
同じ場所で数匹の産卵行動を見ましたが、いずれも葉表の主脈の上に産卵管を突き刺していました。アベマキの葉にできる虫こぶは何種類か見ていますが、葉表の主脈上に形成されたものは記憶にありません。これらの葉がどう変化するのか、しばらくしてからまた様子を実に来ようと思います。
(2013.05.02・明石公園)
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コメント
「虫えい図鑑」で調べてみました。
虫えいには、クヌギ-ハスジ-コトゲ-タマ-フシのように、「寄主-部位-形-ゴール」を示した和名がつけられています。アベマキのタマバチは多くはクヌギと共通だそうで、クヌギとアベマキの葉脈に作られる「ハスジ-フシ」を探してみました。コタマフシ(裏)、コツノタマフシ(両面)、コツヤタマフシ(両面)、コトゲタマフシ(表)、ケイガフシ(表)、の5種が載っていましたが、タマバチはすべて未同定で属名も不詳です。前4種には、単性・両性の世代交代があり、それぞれが秋から春にかけて「芽!」に産卵するそうです。・・・・・なので、これらとは違うようです。
ケイガフシ(図鑑121p. C-046)については(舛田さんが山梨県を主体に観察したためか)知見不足のようで、クヌギから未知、生態不詳、四国・九州に分布となっています。産卵時期と部位についての記述がないのですが、これが有力候補かな(あるいは未知の虫えいかも)と思います。ゴールの形を確認する価値はありそうですね。
投稿: ezo-aphid | 2013年5月12日 (日) 11時05分
ezo-aphidさん、こんばんは。
お調べいただきありがとうございます。
「虫えい図鑑」は未だ入手していないのですが、クヌギとアベマキの葉脈に作られるものだけでも5種もあるのですか。場所は通い慣れたいつもの公園なので、今回産卵を見たアベマキの葉にゴールが出来てくるものなら必ず見つけられると思うのですが、過去にそれらしいものを見た記憶が全くないのがどうも不思議です。ひょっとしたら通常はもっと地上から高い枝で産卵しているのかも知れません。無事ゴールを確認することができればご報告いたしますので、その時はよろしくお願いします。
投稿: おちゃたてむし | 2013年5月12日 (日) 20時18分
こんばんわ。「虫えい図鑑」に掲載の写真は枯葉状態のもので、いつ頃に見られるものか記述がありません。他の4種では、芽に産卵しているのに、虫えいの多くは(5月という種もいますが)7月以降に出る事から、かなり遅くなることもあり得るでしょう。虫えいは「葉表の主脈沿いにでき、直径2mmほどの複数個が合着して、直径15mmほどの毛塊状となる。表面にある無数の毛状物は長さ3mm。」と、かなり特徴的な姿をしています。
これにクヌギイガフシの異名があることを見落としていたので、前記の5種全てがクヌギと共通となります。
投稿: ezo-aphid | 2013年5月12日 (日) 20時51分
ezo-aphidさん、
気長に観察する必要があるということですね。かなり大きなものになるようですから見つけやすいと思います。一度図書館で写真も見ておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2013年5月12日 (日) 22時50分