ヤナギルリハムシに産卵するコガネコバチの一種(Schizonotus latus)(改題)
* 2013.06.13・追記とタイトル修正 *
ezo-aphidさんが文献を調べて下さったところ、寄主や小楯板の特徴からSchizonotus latus (Walker)という種が有力候補となることが分かりました。とりあえず?付きでタイトルに種名を加えておきます。
* 2013.06.18・追記とタイトル修正 *
ezo-aphidさんのお計らいで上條先生に写真を見ていただき、Schizonotus latusでよいとのご返事をいただきましたので、タイトルの種名に付けていた?を外しました。
ちょうど3年前の今頃掲載したヤナギルリハムシを撮ったのと同じヤナギの木で、今度はそのハムシの幼虫に産卵するコガネコバチを見つけました。
ハチに狙われているのは蛹化前の終齢幼虫で、すでに腹端を葉面に固定しているので逃げることができません。それを知っているかのようにハチは寄主の周囲をゆっくり歩き回りながら何度も産卵行動を繰り返していました。
このハチの所属ですが、これまでに掲載して上條先生に属名を教えていただいたものの中ではMesopolobus属に近いのではないかと思っています。体長約2.4mmです。
まず左回り。幼虫は歩くことはできませんがハチが近づくとしきりに体を持ち上げて抵抗しているようです。ハチは産卵の機会を窺うようにその周囲を回ります。この写真では幼虫の頭は右下を向いています。
産卵管を伸ばしましたが、幼虫が前半身を持ち上げる動作を繰り返すのですぐには刺さりません。
幼虫の動きが止まり、産卵管が刺さったようです。
同じ場面を角度を変えて撮っています。しばらくの間この姿勢を保っていました。
(2013.05.31・明石公園)
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コメント
こんばんは。
左回り右回り...産卵に至るまでの一連の流れにドキドキしました!また一つ、小さな寄生蜂の産卵場面が見る事が出来て眼福です(^^
投稿: BABA | 2013年6月12日 (水) 22時16分
なにか意味のある行動を、こうして見せて戴けるのはとても楽しいですねー。ありがとうございます。
「chalcidoids/database/」で寄主から検索してみると、コガネコバチ科の記録は少なく、Schizonotus属とあたりをつけました。「背中が裂けてる」という名前の通り、小楯板に深い横線が入ってるのが特徴のようです。3種だけという小属で、国内にはlatus (Walker)という広域種だけが分布していますので、これが有力候補と思います。
投稿: ezo-aphid | 2013年6月13日 (木) 04時23分
BABAさん、おはようございます。
今回はハチの動きが落ち着いていたのでゆっくり撮ることができました。
どれもよく似ているコガネコバチ科も寄主は色々なんですね。
ezo-aphidさん、おはようございます。
これまでに馴染みのできた属の中から当てはめようとしてみましたが、外れてしまいました。言われてみれば小楯板の横線はかなり目立ちますね。
タイトルと記事を修正しておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2013年6月13日 (木) 06時43分
先生に見ていただきました。国内には4種いるそうですが、これは S. latusでいいそうです。珍しくアタリだったので嬉しいです。
投稿: ezo-aphid | 2013年6月18日 (火) 17時51分
ezo-aphidさん、こんばんは。
さすが、お見立てどおりでしたか。早速タイトルの?印を外しておきます。
いつもありがとうございます。先生にも宜しくお伝え下さい。
投稿: おちゃたてむし | 2013年6月18日 (火) 19時56分