カキアシブサホソガの幼虫・バブルづくり
イヌビワの葉裏で繭を紡いでいたカキアシブサホソガの幼虫です。
カキアシブサホソガの幼虫はその名のとおりカキの葉を食べるのですが、それがなぜイヌビワの葉裏で繭を紡いでいたかと言えばこの木の傍らに背の高いカキの木があるからでしょう。昨年も同じ木で蛹の抜け殻や交尾中の成虫を見ています。
繭のシートの上に並んだ球状の物体は「バブル」と呼ばれるもので、幼虫が吐き出して繭の上に並べるのだそうです。1個のバブルは径0.25mm前後です。
撮影を始めた時に驚いてしばらく動きを止めていた幼虫が繭作りを再開しました。シート越しでよく見えませんが頭を左右に往復させながら絹糸を掛け渡し、時折反転して反対側で作業を続けます。
ひょっとしたらまだ「バブル」作りが見られるかも知れないと期待して見ていたのですが、気がつけばシートの下で幼虫が頭の先にそれらしいものをくっつけていて、やがて待っていた作業を始めてくれました。
1.口器の先に「バブル」が現れるのはあっという間で、風船ガムを膨らませるくらいの時間しかかからないようです。
2.バブルを繭の上に出すために口器でシートを切り裂いています。
3.4.開いた穴からバブルを押し出して・・・
5.6.バブルが無事繭の上に乗ると今度は一旦開けた穴を塞いでいるようでした。
もう一度。
幼虫は糸掛け作業を続けながら時折それを中断してバブルを作り繭の外にくっつけていましたが、約50分間見ていた間に4個のバブルを追加しました。
このバブルの役目はと考えれば寄生蜂の針を防ぐことくらいしか頭に浮かびませんが、そうだとしてもなんとも奇妙な手段を進化させたものだと思います。
(2013.7.11・明石公園)
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