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2013年7月26日 (金)

?オスグロハススジハマダラミバエ Anomoia ?okinawaensis(改題)

* 2013.07.31・追記とタイトル変更 *

当初「クチジロハススジハマダラミバエ?」としていましたが ezo-aphid さんが文献を詳しく調べて下さった結果同属のオスグロハススジハマダラミバエ Anomoia okinawaensis である可能性が高いことが分かりました。また本文中に挙げた3年前の記事の個体とBABAさんのブログに掲載された個体は翅紋や小楯板の色に違いがあり、また別の種のようです。詳しくはコメントをご覧下さい。タイトルの種名を変更しました。

木の葉の裏を見上げているとたまに見つかるミバエです。3年前にハススジハマダラミバエの一種として掲載したものとおそらく同じ種で、先日BABAさんのブログに登場したものも同種だろうと思います。今回ネット上の画像をいろいろ当たってみた結果クチジロハススジハマダラミバエ Anomoia leucochila という種が近そうだということになりましたが、翅の紋などぴったりとは一致しない部分もあるので違うかも知れません。

_dsc5930
ネズミモチの葉裏で、例によって翅をひらひら動かしながら歩いていました。

_dsc5941
倍率を上げ過ぎてはみ出してしまいました。体長3.9mmほどで、腹端の形は雌のようです。

_dsc59482
ミバエの仲間は模様入りの翅とともにやはりこの虹色の複眼が魅力ですね。

(2013.07.17・明石公園)

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双翅目」カテゴリの記事

コメント

こちらにクチジロのタイプ標本の画像があり、外側の細いワモンの半円が途中で切れています。
www.museum.osakafu-u.ac.jp/html/jp/material/detail.php?id=981
ミバエに詳しいほげさん、来てくれないかなー。

投稿: ezo-aphid | 2013年7月26日 (金) 08時22分

Anomoia属は国内に11種いるそうですが、伊藤修四郎さんが新種記載した6種のうち、5種のタイプ標本(雌)を次のサイトで見られます。
www.museum.osakafu-u.ac.jp/html/jp/material/?cat=10#contentsNav
翅の斑紋でどの程度同定できるものか判りませんが、どれにもあたらないように見えます。

投稿: ezo-aphid | 2013年7月26日 (金) 19時03分

ezo-aphidさん、こんばんは。
クチジロのタイプ標本の写真は私も見ていたのですが、「一寸のハエ」(No.4783~)で上の写真とよく似た斑紋を持つ種がクチジロの可能性ありとされていたのと、同属のクロハススジ(ワモン)ハマダラミバエでもネット上には微妙に異なる斑紋を持つ画像が混在しているので(誤同定もあるのかも知れませんが)、タイプ標本との違いは個体変異の範囲に入るのかと考えていました。しかし同属が11種も存在すると聞くと最初の判断は全く怪しくなってきますね。また斑紋が種によってかなり固定的なものだとすればおっしゃるようにタイプ標本の見られる5種の中には該当する種はなさそうです。残る6種の画像を見ることが出来ればいいのですが。

投稿: おちゃたてむし | 2013年7月26日 (金) 21時52分

30年ほど前に伊東修四郎さんが自費出版された、日本のミバエ「Die Japanisch Bohrfliegen」という350頁ほどの本を借りてきました。ほとんどの種には、図に頭部側面と翅(脈と紋)のみが載っていて、これらが判別に重要であることが判ります(おそらく個体変異も小さいのでしょう)。
”クチジロの可能性あり”との発端となったアーチャーンさんの画像で翅の紋について説明します。
前縁基部の2つの透明斑、翅端側の大きな半円(ワモン)の黒条、その内側中央部の大黒紋端部とつながって翅を横断する黒条に注目します。
12種の掲載種のうち、2つの透明斑があるのは10種、そのうち、つながった半円が大黒紋と離れているのは2種だけです。つまり大黒紋の端から、翅の前縁と後縁に達する条を持つ A. belliata、翅の後縁に達する条がない A. okinawaensis オスグロハススジハマダラミバエ(雄の翅は全体に薄黒いらしい)です。
前者は、「アーチャーンさん」のほか、上記で例示された「BABAさん、明石の3年前」が該当します(小楯板が胸部の色が違ってやや淡褐色ですね)。ただし、その新種記載は体長3.5mmと小型の雌1頭(沖縄、12月)ですので、これらは belliata に近い別種のような気がします(記載文を詳しく検討しないと判りません)。後者はここの画像と、虫ナビさんの「クチジロハススジ」です。
ちなみに、虫ナビさんの「チャイロハススジとツマモンハススジ」の翅の紋は、参考書の図とほぼ一致しています。
ということで、これは「?オスグロハススジ、Anomoia ?okinawaensis」というのが私の意見です。

投稿: ezo-aphid | 2013年7月30日 (火) 23時36分

ezo-aphidさん、おはようございます。
大変お手数をおかけしました。
ミバエ類の翅の斑紋は個体変異が大きいのではないかという勝手な思い込みがあって見方が雑になっていました。やはり斑紋に一致しない部分があれば別種と考えるべきなんですね。アーチャーンさん、BABAさん、私の3年前、の3個体も今回の個体も同種と考えていたのですが、ご指摘をいただいた斑紋や小楯板の色の特徴をあらためてよく見ると確かに前3個体が同種で、今回の個体はまた別の種であることが分かります。それぞれの種の斑紋の特徴も手際よく明快に説明していただいてほとんど画像を見るようによく理解できました。
タイトルをお勧めどおり「?オスグロハススジハマダラミバエ」に変更しておきます。詳しくお調べいただきありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2013年7月31日 (水) 08時46分

こんばんは。
ezoさんに教えて頂いてやって来ました(^^;; ”最近のコメント”もチェックしないと駄目ですね。色々と情報有り難うございます。せっかく教えて頂いても、忘れてしまいますので今回、ezoさんおコメントを引用させてもらいました。不都合があれば教えて下さい。しかし身近にいても、よくわからない小さなハチもそうですがハエは特に多いですね。

投稿: BABA | 2013年8月 2日 (金) 22時15分

BABAさん、こんばんは。
私なんぞ、記事にするために苦労して種名を調べ、確認のためにその名で画像検索をかけると以前の自分の記事が出てくるなどということがあるくらいですから、他所のブログのコメントまでなかなか覚えていられませんね。
ところでezo-aphidさんのその後の調査で発覚した新事実?をこのブログの2010.08.21の記事にコメントしていただきましたので、そちらもご参照ください。

投稿: おちゃたてむし | 2013年8月 2日 (金) 23時08分

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