ハナアザミウマ?(改題)
* 2013.07.02・追記とタイトル変更 *
当初タイトルを「アザミウマ3種?」としていたのですが、ezo-aphidさんよりその1.とその2.はそれぞれハナアザミウマ Thrips hawaiiensis の雌と雄の特徴に合致すると教えていただきましたので、表記のタイトルに変更しました。クチナシにはこの種を含めて4種のアザミウマが見られるそうですが、触角の色彩パターンで見分けられるとのことです(コメント参照)。その3.も大きさや体色が少し異なるものの同じ種なのかも知れません。
クチナシの花びらについていたアザミウマです。3種類のタイプの成虫がいるようですが、体型や触角の構造、大きくて赤い3個の単眼などかなり共通点があります。ひょっとしたら同種の雌雄ということもあるかも知れません。成虫・幼虫とも写真はすべて同一倍率です。
その1.
これは大型で色の濃い方。白い花びらの上では目立つので私の老眼でもよく見えます。体長約1.1mm。
その2.
こっちはやや小型で淡色の種。私の裸眼ではほとんど見つけられません。最初の大型種を撮っている時にカメラの視野に入ってきて初めて存在に気付きましたが、これも探せば沢山いました。体長約0.85mm。
その3.
さらに小型ですが、体色はその1と2の中間くらいの濃さです。体長約0.75mm。
幼虫たち
3種の成虫のどれに対応するのか分かりませんが、大きさから見てその1の幼虫ではないかと思います。体長0.8mmほどです。
これも同種で若齢なのか、別種なのか分かりませんが体長0.5~0.55mmくらいです。探せば沢山いるのですが色が薄いのでバックに溶け込んしまい、ファインダーの暗い視野の中では一対の赤い複眼だけが動いているように見えます。
死んだ成虫
少し古くなったクチナシの花びらは触ってみるとモチツツジのように粘つきます。それに脚を取られるのか、こんなふうにくっついて死んでいる成虫が多く見られました。
(2013.06.25・神戸市中央区)
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コメント
同定は無理と思いつつ「農作物のアザミウマ」を眺めてみました。
クチナシ(の花?)に見られているのは、クロトン、チャノキイロ、ハナ、ヒラズハナの4種で、全て別の属です。体長は、クロトン(雌1.5-1.8mm、雄は稀)、チャノキイロ(雌0.8-1.0mm、雄0.7-0.8mm)、ハナ(雌1.1-1.6mm、雄0.9-1.1mm)、ヒラズハナ(雌1.3-1.7mm、雄1.0-1.2mm)となっています。これらは触角の色彩パターンで見わけられそうです。
このうち、ハナアザミウマ Thrips hawaiiensisでは、暗色型雌の触角は褐色(ただし第3節は黄色で、4節基部が黄褐色)、雄の触角も褐色(ただし第4・5節の基部と1-3節が黄色)となっていますので、体長とあわせて判定すれば、前者はその1、後者はその2にあたるように思います。翅の基半が淡色という点もあっていますので、有力候補と考えて良さそうです。
投稿: ezo-aphid | 2013年7月 2日 (火) 12時03分
ezo-aphidさん、こんばんは。
多分似たような種がたくさんありそうな気がしていたのでこんなに早く候補を挙げていただけるとは思いませんでした。その1と2はやはり同種の雌雄でしたか。よく似ているのでそうかも知れないとは思ったのですが大きさや体色に差があるので別種と考えていました。その3は少し小型ですがよく似ていて同じ花びらにいたので同種の個体変異とも思えます。ハナアザミウマという和名からすればよく知られた害虫なんでしょうね。お知らせいただいた特徴によく一致すると思いますので、タイトルにはひとまず?付きで種名を入れておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2013年7月 2日 (火) 20時20分
こんにちは、素晴らしく綺麗に撮影された虫たちの写真に関心致しました、恐れ入りますがお撮りになられた写真の使用に関してお伺いしたい事がございます、ご連絡先がわかりませんでしたのでこちらから失礼致します。恐れ入りますがアドレスをいれておりますのでご返答いただけれましたら幸いです
投稿: | 2019年9月18日 (水) 16時32分