セミの卵を吸汁するウシカメムシ幼虫
ウシカメムシがセミの卵を吸汁するという話は聞いていましたが、この日初めて実際にそれらしい行動を見ることが出来ました。このカメムシは肉食の傾向を持っているようで、ハンマーさんのブログには2匹の成虫が蛾の繭を吸汁している場面が紹介されています。また越冬開けの成虫がクマゼミの産卵痕に集まっている様子も観察されているそうです。(こちらの記事へのezo-aphidさんのコメント)
立ち枯れのエノキの、樹皮が剥がれ落ちた後の滑らかな部分にセミの産卵痕が並んでいて、ウシカメムシの幼虫はその産卵痕の上に口吻を突き刺していました。
カメムシの口吻は直接セミの産卵管が開けた穴に挿入されずに少し離れた場所で垂直に突き立てられているようです。セミの産卵管は枯れ木の表面に対してかなり浅い角度で穿孔していくようなので(例えばこちら)この方が短い距離で卵まで到達できるということではないかと思います。
反りかえって鋸歯の並んだ「角」が成虫より立派に見えます。おそらく5齢(終齢)でしょう。
カメムシ類の口吻の構造は複雑で面白そうですね。
(2013.08.06・神戸市中央区)
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コメント
お、ついに撮りましたね。
木質内部のセミ卵のありかを、カメムシ幼虫がどうやって知るのか興味シンシンです。以前の記事に「触角で細かく打診?して探す」とあったのですが、この画像でも多くは触角が木の面に近づいていて、探索の道具となってることが窺われます。
トントンと叩いたのか、クンクンと嗅ぎまわったのか、ご記憶でしょうか?
(孵化時の卵なら、何か臭いを発していそうな気がするのですが・・・・)
投稿: ezo-aphid | 2013年8月21日 (水) 22時39分
ezo-aphidさん、おはようございます。
見つけたときはすでに口吻を突き刺した状態で、また途中一度場所を変えたことは記憶しているのですが、その際に特に探し回るような動作はしなかったような気がします。産卵跡が接近しているせいかとも思いますが、探索の動作を見落としたのかも知れません。
ハンマーさんの記事を見てもセミの卵以外にも動物質を食べているのでしょうが、歩き回っているのをよく見る割には食事の場面には出会えませんね。
投稿: おちゃたてむし | 2013年8月22日 (木) 06時44分