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2013年9月20日 (金)

イスノキエダコタマフシとイスノタマフシアブラムシ(改題)

* 2013.09.21・追記と改題 *

当初虫こぶ(ゴール)の名もアブラムシの種名も分からないまま出していたのですが、ezo-aphidさんからゴールはイスノキエダコタマフシ、形成者のアブラムシはイスノタマフシアブラムシMonzenia globuli (Monzen)であろうと教えていただきました。いただいたコメントによれば、下の写真の大型・茶色の個体は第2世代の成虫、色が薄くて小さいのは第3世代の有翅幼虫にあたるそうです。詳しくはコメントをご覧ください。タイトルにゴール名とアブラムシの種名を入れておきます。

イスノキの枝に出来ていた虫こぶです。

_dsc7087
大きいほうで直径7mmくらい。ちょうど成長を始める時期なのか、同じ木の枝で径数mm程度のこの同じ虫こぶがたくさん見られました。
以前の記事へのコメントでezo-aphidさんが、「イスノキの枝にできる、表面が滑らかな袋状で、緑色の虫こぶ」を作るアブラムシとして、シムネアブラムシ、イスノフシアブラムシ、シロダモムネアブラムシの3種を挙げた上、それぞれの特徴を要約して下さいました。今回見た虫こぶはどれもまだ小さくて成長後の特徴が表れていないのではないかと思いますが、球形に近いものが多かったので3種の中ではシイムネアブラムシの作るものに近いように思います。

_dsc9942
大きいほうを切開してみました。
成虫らしき赤褐色の大きなのが数匹、薄緑色の幼虫もたくさんいます。

_dsc99652
成虫らしきものは体長1~1.2mmくらい。

_dsc99562
幼虫は小さいもので体長約0.5mm。

_dsc7104
幹母が一匹だけの状態が見られないかと思って上の写真の小さい方(直径約2.3mm)の虫こぶを開いてみましたが・・・。

_dsc99812
内部はすでに満杯でした。

(2013.09.12・奥須磨公園)

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コメント

前回の記事では、「日本のアブラムシ」(1983)の検索表の抜粋で、大型・緑色のゴールを紹介したつもりでしたが、舌足らずでした。ゴールは完成時の大きさで示されるので、途中経過の小さいものでは判別が難しいですね。
今回は、イスノキエダコタマフシ(イスノタマフシアブラムシ、Monzenia globuli (Monzen)が作るゴール)であっていると思います。「虫えい図鑑」によれば、緑色・球形のゴールは芽の基部に作られ、直径は9-15mm(時に23mm)だそうです。生活史は次のとおりです。越冬卵の孵化は4月末ころ、幹母は6月下旬ころに直径約1mmのゴール内で成虫となり、第2世代は8月末ころに成虫となって子虫を産む。その後、ゴールは急激に肥大して直径11mmくらいになる。これらの子虫は有翅虫となって、10月下旬ころに裂開したゴールから飛び出し、イスノキの葉裏に雄と卵生雌を産む。両者が交尾して越冬卵を産む、となります。
この大型・茶色は第2世代成虫、小型・淡緑は第3世代の有翅幼虫、と考えると上記にぴったりあうように思います。

投稿: ezo-aphid | 2013年9月21日 (土) 19時34分

ezo-aphidさん、こんばんは。
他に参考資料がないものでつい以前いただいたコメントに頼ってしまいましたが、前提をよく理解していなかったようです。
イスノキエダコタマフシは手元にある「虫こぶハンドブック」にも出ていたのですが、よく見ていませんでした。周年イスノキ上で生活する種なんですね。詳しい生活史をご紹介いただきありがとうございます。
タイトルにゴールの名とアブラムシの種名を入れておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2013年9月21日 (土) 20時06分

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