クリヒゲマダラアブラムシ
* 2013.10.07・追記と訂正 *
参照した図鑑の記述から「無翅型は現れない」と書いたのですが、ezo-aphidさんのコメントと「虫ナビ」さんの記事によれば秋に出てくる有性世代ではちゃんと無翅型の雌が出現するそうです。また3枚目の有翅虫は雌のようです。
クリの幼木の、葉の表の主脈に沿って並んでいたアブラムシです。クリヒゲマダラアブラムシだと思います。
小さいもので0.9mm、大きいので1.4mmくらいの体長です。このアブラムシには無翅型は現れないということなのですべて有翅幼虫でしょう。夏季の密度が高くなる頃に翅が小さく退化した成虫も現れるそうですが、今回撮影した中それらしいものは見当たりませんでした。
成虫もちらほら見られましたが、どれも体長は1.3mmほどで上の写真の大型の幼虫より小さく、雄ではないかと思います。翅脈に沿った黒い紋が特徴的です。
(2013.10.01・森林植物園)
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コメント
おはようございます。
クリヒゲマダラの雄と(無翅の)卵生雌が出る時期はいつかと、情報を探したら虫ナビさんの所にありました。関東では11月上旬ころのようなので、関西は半ばすぎになるのではないでしょうか。
雄は尾端腹面の形で確認しますが、腹部全体がもっと細めに見えるものが多いようです。この種では、黒っぽくなるようですね。
mushinavi.com/navi-insect/data-abura_madara_kurihige.htm
投稿: ezo-aphid | 2013年10月 7日 (月) 08時09分
ezo-aphidさん、こんばんは。
早速虫ナビさんの記事を見ました。「アブラムシ入門図鑑」の説明文には単に「無翅型は現れない」とあったのでそのまま引用したのですが、有性世代にはちゃんと無翅型の雌が出てくるということですね。また3枚目の有翅虫は単純に体が小さいので雄かと思っていました。
それにしても生息密度が高くなると短翅型が出現するというのは不思議です。バッタなどとはまた違う事情があるんでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2013年10月 7日 (月) 20時13分
こんばんわ。
「入門図鑑」のクリヒゲマダラの項は、ちょっと問題点がありますね。属名はMyzocallisの間違いで、(90年前の台湾での観察では)「季節を問わず、通常型とほぼ同数の(飛翔には不適な)短翅型有翅虫が見られる」のだそうです。また、「胎生雌と雄は有翅で、無翅型は卵生雌に限られる」と表現すべきでしょうね。
アブラムシ亜科は無翅虫が基本型で、有翅虫はあらかじめ決まった世代に現れるほか、生息密度の高まりや、餌植物の劣化、などが誘因となるのが一般的のようです。一方、マダラアブラムシ亜科では有翅虫が基本型、密集することは多くなさそうで、樹木(餌植物)の生育旺盛の頃は長距離の移動を必要としないので、短翅型が現われるのでしょう。「生息密度が高くなると短翅型が出現する」ことは、ありそうに思えません。ちなみに、産子数は有翅虫より無翅虫の方が多いので、良質の餌がある所では移動しない方が有利のようです。
投稿: ezo-aphid | 2013年10月 7日 (月) 23時59分
ezo-aphidさん、こんばんは。
やはり過密や餌不足が引き金となって移動に適した型が出現すると考える方が自然ですよね。
ご指摘のように、クリヒゲマダラアブラムシの場合は食料が豊富で移動よりもその場での繁殖が優先される条件で短翅型が増えると解釈すれば納得できます。「入門図鑑」の「生息密度が高くなる」という表現は単に好条件時の個体数の増加を指しているのかも知れませんね。
そもそもなぜ有翅型と無翅型が存在するのかということも含めて大変奥の深そうな問題ですが、素人なりにあれこれ考えてみるのも面白いと思いました。ありがとうございます。
投稿: おちゃたてむし | 2013年10月 8日 (火) 21時20分