クロオビケブカアブラムシ?とキイロシリアゲアリ(改題)
* 2013.11.02・追記とタイトル変更 *
ezo-aphidさんからコメントをいただき、写真のアブラムシはクロオビケブカアブラムシMollitrichosiphum nigrofasciatumの可能性が高いことが分かりましたので、タイトルを変更しました。詳しくはコメントをご覧下さい。
アラカシの葉裏のアブラムシにキイロシリアゲアリが集まっていました。
アブラムシはケクダアブラムシ亜科のようですが、そこから先が分かりません。
その中で一匹のアブラムシ幼虫が特別アリの注意を惹きつけているようなのでカメラを向けると、脱皮中でした。
甘露を貰いにきたアリが脱皮中のアブラムシに強い関心を示す様子は以前にも見たことがありますが、何か特に魅力的な匂いでも出しているんでしょうか。
あまりに執拗に纏わりつくので脱皮の障害にならないのか心配になるほどです。
何とか無事に脱皮を終えました。
同じ葉にいた有翅成虫です。以前掲載したカシケクダアブラムシの雌に似ていますが、体型はそれをぐっと前後に圧縮した格好で、角状管もはるかに短いです。
茎についていた有翅幼虫たち。こちらもやはり「カシケクダ」を太短くしたような形です。
(2013.10.29・明石公園)
| 固定リンク
「膜翅目」カテゴリの記事
- モチノキタネオナガコバチ(2019.07.27)
- ナガコバチ科の一種(?Metapelma sp.)(2019.07.23)
- ウスマルヒメバチ亜科の一種(Lissonota sp.)(2019.07.18)
- フサトビコバチの一種(?Cheiloneurus sp.)(2019.07.12)
- アミメアリ(2019.07.04)
「半翅目」カテゴリの記事
- ホシヒメヨコバイ(2019.07.28)
- ミズムシ科の一種・幼虫(2019.07.26)
- ヒゲナガサシガメ幼虫(2019.07.25)
- トサカグンバイ(2019.07.22)
- クサギカメムシ1齢幼虫(2019.07.19)
コメント
こんばんわ。見たことがないものなので、推測してみます。
宗林さん(1976)によれば、アラカシには4種のケクダアブラムシ類(Greenideinae)が寄生するそうです。カシケブカ(Allotrichosiphum)、クワナケブカ(Greenidea)、アラカシニセケブカ(=クロオビケブカ、Mollitrichosiphum)、マダラケブカ(Paratrichosiphum)です。有翅虫の体長はそれぞれ、おおよそ2.8mm、3.6mm、1.5mm、2.1mmとあります。
有翅虫の角状管の長さでみると、カシ・クワナは除外されます。残りの2種のうち、無翅胎生の成虫(森津図鑑参照)はここにいないと想定して、クロオビケブカと見立てましたが、はたして有翅虫のサイズは合致するでしょうか?
投稿: ezo-aphid | 2013年11月 1日 (金) 21時20分
ezo-aphidさん、おはようございます。
急いで記事を書いていてサイズを確認するのを忘れていましたが、写真の有翅虫の体長は約1.5mmで、お見立てのクロオビケブカにぴったり一致します。また脱皮中の幼虫に気をとられていてあまりよく見ていなかったのですが、無翅の成虫は見かけなかったように思います。Mollitrichosiphum属としてよろしいでしょうか。
投稿: おちゃたてむし | 2013年11月 2日 (土) 06時54分
「Aphids on the world's trees」697頁には、マダラケブカ(Eutrichosiphum tattakanum)は本州で6・7月に有翅雄と有翅卵生雌が現れる、とありますので、それとは違いそうです。
サイズが合うクロオビケブカの方は、有性世代の出現期など生活史が不明なのですが、とりあえずは「?Mollitrichosiphum nigrofasciatum」としていいと思います。アラカシに寄生する亜種glauca では口吻が短めですが、生体では見わけられません。二つある和名のうち、”ニセ”が入るの方は避けて、無翅虫を特徴的に表現しているクロオビケブカアブラムシの方を選びたいのですが。
投稿: ezo-aphid | 2013年11月 2日 (土) 10時20分
ezo-aphidさん、こんばんは。
今回撮影した場所にはアラカシが非常に多いので、いずれ無翅成虫の「クロオビ」も確認できることと思います。その時にはまたあらためてお伺いを立てたいと思いますが、まずはお勧めどおりタイトルに種名を掲げておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2013年11月 2日 (土) 20時50分