12月のシロスジカミキリ
先日のBABAさんの12月のアブラゼミという記事を見て、9年前に見た不思議な光景を思い出しました。
マテバシイの幹から顔を出しているのはシロシジカミキリです。
他の多くのカミキリ類と同じくシロスジカミキリも初夏に出現するのが普通ですが、幹から脱出しきれずにそのまま死んでしまったものも時折見かけます。これもそのような不運な死骸が半年近くも残っていたのだろうと思って撮影を始めましたが、よく見ると驚いたことに頭や足を僅かに動かしているのです。
不思議なのはマテバシイの幹からこのカミキリムシが顔を出したのはいつ頃かということです。初夏に出てきたものが、脚の先が失われているとはいえこの状態で12月の末まで生きていられたというのはちょっと考えにくいことでしょう。以前に記事にした脱出できないシロスジカミキリは、約3週間後に見たときにはすでに死んでアリが群がっていました。顔面に多数の木屑が残っているのを見ても、やはり何かの間違いで早くとも11月末か、おそらく12月に入ってから脱出を始めたと考えるのが妥当でしょう。面白いこともあるものです。
撮影の後穴からそっと引っ張り出してみると後半身はやせ細ってぼろぼろでしたが、それでも地面に置くと不器用に歩いていました。
(2004年12月28日・奥須磨公園)
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コメント
こんばんは。
11月か12月ですか。
適応の幅を広げる冒険者だったのか、単に無謀で片付けてしまう存在なのか・・・
12月は幾らなんでも後者のようですね。
やっと少し離れた場所に写真を撮りに行けました。
改造レンズで、少しはマシになったようです。
Sympiesis derogataeらしき個体を撮りましたが、腹部の窓は個体差としても触角の太さが違うような気がします。
単に写り方が違っただけなのか・・・気になって。(笑)
投稿: usunoki | 2013年12月30日 (月) 01時11分
usunokiさん、おはようございます。
何の間違いでこんな季節に出てきたのか分りませんが、確かに無謀としか言いようがありません。
たとえ無事に脱出出来たとしても寒さでほとんど動けないと思いますし、交尾相手も見つからないでしょう。
正確な本能に支配されているように見える昆虫でも、たまにはこんな間違いもあるんでしょうね。
ヒメコバチの写真、拝見しました。
2012年に撮られたものと似ていますが、記事に書いておられるとおり違いもいくつか見えるので、同属の別種かも知れませんね。よくは知りませんが、Sympiesis属にもかなりの種数があるでしょうし、未知種も多いことと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2013年12月30日 (月) 08時12分