« ノミコバチ科・Elasmus sp. | トップページ | コマユバチ科の一種 »

2013年12月17日 (火)

クダアザミウマの一種(Bactrothrips honoris.)(改題)

* 2015.08.18・追記とタイトル修正 *

SOさんより、これはBactrothrips carbonariusではなく同属のB.honorisであろうとコメントをいただきました。B.carbonariusはもっと頭部や脚が短く、B.flectventrisとともに決まってアラカシの枯れ葉で見つかりマテバシイの枯れ葉では見られたことがないそうです。再度タイトルを変更しました。

* 2014.02.09・追記とタイトル修正 *

ezo-aphidさんより、岡島先生の検索表(Hepotaさんのブログで紹介されています)によればこの種はBactrothrips carbonariusであろうとコメントをいただきましたので、タイトルに種名を加えました。

以前の記事(Bactrothrips flectoventris)にいただいたコメントでSOさんから、「
Bactrothrips 属の種はどれも枯れ葉に生息し、シイやカシ類の枯れ葉(枝が折れて枯れたものが樹上にぶら下がっているような枯れ葉)に多い」と教えていただきましたが、その通り折れた枝からぶら下がって重なり合ったマテバシイの枯葉の間から、数匹のクダアザミウマが見つかりました。これも Bactrothrips 属だと思います。

_dsc53222

_dsc53212
体長は約4.6mmです。腹部や足の色、体長や体型など、以前に出した Bactrothrips honoris に似ているので同種の雌ではないかと思うのですが、他にも似た種が多いのかも知れません。

_dsc53423
羽毛状の翅。こんなもので飛べるんでしょうか。よく見ると腹部背面から生えて湾曲した剛毛がその翅をしっかり押さえつけているように見えます。翅を保護するためのものでしょうか。拡げる時はともかく、翅を閉じる際にうまくこの剛毛の下に収めるのはかなり器用な動きが必要でしょう。

Bactrothrips_sp
触角と腹部末節。

_dsc53682
同種の幼虫だと思うのですが、既に死んで硬くなっています。マミーでしょうか。

(2013.12.11・学が丘北公園)

|

« ノミコバチ科・Elasmus sp. | トップページ | コマユバチ科の一種 »

アザミウマ目」カテゴリの記事

コメント

わ、マユのように見える。3mmほどはあるのでしょう。
珍しいものですねー、どういうハチが出てくるんだろ。

投稿: ezo-aphid | 2013年12月17日 (火) 23時53分

ezo-aphidさん、おはようございます。
体長を書き忘れていました。ご推測どおり3mmにちょっと足りないくらいです。
やっぱり寄生バチのマミーでしょうか。持って帰れば良かったですね。

投稿: おちゃたてむし | 2013年12月18日 (水) 06時27分

おはようございます
3mm以上のアザミウマにほとんど出逢えていないので羨ましいです。しかも、アザミウマのマミーは凄いです。うっすらと赤い複眼が見えているような感じですね。今後の展開が楽しみです(^^

投稿: BABA | 2013年12月20日 (金) 09時48分

BABAさん、こんばんは。
この手の大型のクダアザミウマはわりと見る機会が多いので、BABAさんがあまりご覧になっていないとは意外です。
採集する機会があれば是非深度合成画像を見せて下さい。
マミーの方は何が出てくるか採集して羽化を待てば良かったのですが、このところ雑用が多くて無駄になりそうなのでそのままになってしまいました。
またの機会があればいいんですが。

投稿: おちゃたてむし | 2013年12月20日 (金) 20時05分

コメントを期待しているSOさんは、学期末のせいかお忙しいようですね。
Hepotaさんが、岡島(2006)さんのBactrothripsの和文検索表を紹介していましたが、これは「脛節の大部分が暗褐色」なので、flectoventris か carbonarius でしょう。前者の特徴は、体がよく曲がり、複眼が腹側で後部に伸びる(BABAさんの拡大図でよく判りますが、おちゃたてさん2月3日の側面図でも読みとれます)ことですが、これにはその気配が見えないことから、carbonarius のように思われます。

投稿: ezo-aphid | 2014年2月 9日 (日) 09時42分

ezo-aphidさん、こんばんは。
Hepotaさんご紹介の検索表は以前にも参照したことがあったのですが、忘れていました。
脚の淡色部の割合などは変異が大きいのではないかという思い込みがありましたが、その特徴を使って候補を2種に絞り込めとは意外でした。また別カットで頭部付近を拡大してみましたが、ご指摘のように「複眼が腹側で後方に伸びる」という特徴は見られません。頭部の形などもflectoventrisとは明らかに異なるので、これはcarbonariusということになりますね。
タイトルにはとりあえず?付きで種名を掲げておきます。ありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2014年2月 9日 (日) 20時09分

この写真、見落としていました。おそらくB.honorisだと思います。B.carbonariusはもっと頭部や脚が短い種類で、背面から見るとB.flectoventrisと区別は困難です。しかもB.cとB.fは決まってアラカシの枯れ葉に見つかります。マテバシイの枯れ葉上で見たことはありません。

投稿: SO | 2015年8月18日 (火) 14時22分

SOさん、いつもありがとうございます。
最初B.honorisに似ているとは思ったのですが、脚の微妙な色合いで横道に逸れていました。
B.carbonariusは参照できる画像が見つかりませんでしたが、以前に教えていただいたB.flectoventrisと比べると形態の違いがよく分かります。B.carbonariusとB.flectoventrisが区別が困難なほど似ているとすればこれは明らかにどちらでもないですね。
以前はどれもこれも同じにしか見えなかったクダアザミウマ類ですが、いろいろ教えていただいてそれぞれの種の特徴が少しづつ分かってきたような気がします。タイトルを修正しておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2015年8月18日 (火) 17時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: クダアザミウマの一種(Bactrothrips honoris.)(改題):

« ノミコバチ科・Elasmus sp. | トップページ | コマユバチ科の一種 »