ホシアメバチ属の一種(Enicospilus ?javanus)(改題)
* 2013.12.28・追記とタイトル修正 *
ezo-aphidさんが Enicospilus gephyrus の新種記載文を探し出され、前翅の fenestra (釣り針紋のあたり)の図や記載は下の写真によく合っているようだと教えてくださいました。ただ gephyrus という種名はシノニムとして消され、現在は javanus という名前が妥当ということなので、タイトルの種名も変更しました。
ブレた写真ですみません。
トベラの幼木の葉裏にぶら下がっていたアメバチですが、非常に風の強い日で枝の揺れが止まらず、何枚も撮った中でこれが一番ましなカットでした。
低い場所にいたので背面から撮るために葉を捲ると、風に煽られて独特の姿勢を崩して歩き出しました。
体型や翅脈は以前掲載した2種のホシアメバチ属(Enicospilus concentralisと?Enicospilus ramidulus)に似ています。日本産ヒメバチ目録で同属の標本画像を片端から当たってみると、前翅中央付近の釣り針型の紋の形や中胸背板の縦縞などがEnicospilus gephyrus Chiu,1954によく一致するので、とりあえず疑問符つきでこの種名を掲げておきます。体長約20mmです。
(2013.12.21・明石市松ヶ丘公園)
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コメント
珍(Chiu)さんの新種記載文(臺灣省農業試驗所報告 13号)は「some Enicospilos-species 」とネット検索すると見つかりました。33頁にfenestraの図があり、釣り針の内外(破線内)に無毛部があると記され、これとよくあってるようです。ただし、多くはsynonymで種名が消されてしまい、この種もjavanus という名前が妥当とのことです。
投稿: ezo-aphid | 2013年12月28日 (土) 18時14分
すみません、ミススペルでした。
>> some Enicospilus-species
投稿: ezo-aphid | 2013年12月28日 (土) 20時43分
ezo-aphidさん、こんばんは。
早速お調べいただきありがとうございます。
Chiuさんは台湾の方だったんですね。念のため掲載写真のfenestraの部分を拡大して記載文の図と比べてみましたが、確かによく一致していました。それにしても、種ごとの違いは微妙なものなんですね。タイトルの疑問符はそのままにしておいて、種小名はJavanusに直しておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2013年12月28日 (土) 20時49分