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2013年12月13日 (金)

チャバネトゲハネバエ(改題)

* 2013.12.14・追記と改題 *

ezo-aphidさんから、チャバネトゲハネバエ Tephrochalamys japonica と考えていいだろうとのコメントをいただいたので、タイトルに種名を入れました。記事中にリンクした過去の2件の記事も同種のようです。

アラカシの葉に数匹のハエが集まってなにやら騒いでいました。

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葉の裏を歩き回りながら、他のハエに鉢合わせするとお互い翅を拡げて威嚇しあっています。このような行動は以前にも見たことがあって、その時と同じトゲハネバエ科の一種のようです。こちらに出したものも同種かも知れません。

Togehanebae
こうして見ると随分前足が長く見えます。ひょっとしたら長さを比べあって長いほうが勝ち、ということもないんでしょうね。枝が風に揺れてピント合わせが難しく、手で押さえると逃げそうなのでそれも出来ず、仕方なくかなり低倍率で撮ったものを大幅にトリミングしています。

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しばらく眺めているうちに一匹また一匹とその場を離れて行き、やがて誰もいなくなってしまいました。集まっていた葉を手にとって調べてみましたが別に争いの原因になるようなものも見当たりません。あの騒ぎはなんだったんでしょうか。

(2013.12.05・明石公園)

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双翅目」カテゴリの記事

コメント

そういえば、初冬のころ、野菜くずの捨て場所で、50頭ほどのトゲハネバエ科成虫が大騒ぎしているのを見かけました。ほとんどは雄で、わずか4・5カップルが成立している脇で追いかけっこをしていました。羽化直後の雄たちはコーフン状態になりやすいんでしょうか。

投稿: ezo-aphid | 2013年12月13日 (金) 22時08分

ezo-aphidさん、おはようございます。
餌になりそうなものが何もない場所なのでちょっと不思議に思っていたのですが、やはりこれも雌を巡る雄たちの争いと考えるのが順当でしょうね。この写真では雌雄の区別のつきませんが、どこかに雌がいたのかも知れません。また機会があればもう少しゆっくり観察したいものです。ありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2013年12月14日 (土) 06時43分

ちなみに、そこで採集した種はセンチトゲ Orbellia tokyoensisと思われるもので、翅長は異様に長く(体長の120%くらい)、翅前縁のScとR1がとても長いのです。保育社図鑑の221頁の図で説明すると、Scの終点はr-m横脈と同位置で、Ri終点は翅の前縁中央を超えています。胸部の横線前に背中刺毛が2対あります。
これまでの一連のトゲハネバエは、翅脈が Tephrochlamys(MNDなど)と一致し、田中川さんのチャバネ画像に似ており、翅の前縁が曇っている(ようにも見える)ので、チャバネトゲハネバエと考えていいと思っています。
しかしながら、著名なセンチトゲハネバエの画像がネット上に見つからないのは、いかにも残念です。

投稿: ezo-aphid | 2013年12月14日 (土) 12時26分

と、ぶつくさ言ってたら、なんとその直後の「一寸のハエ・・・・」サイトに!! (さっき気づきました)。
これです、わたしのいうセンチトゲハネバエは。先に説明した翅脈のScとR1の終点位置をお確かめ下さい。
北隆館の図鑑の記載をご覧いただければ、センチトゲらしいことが判ります。背中剛毛が2+4、というのは「横線前に2対、横線後に4対」という意味でしょう。(複眼側部の半直立外向剛毛というのは見えませんが)小楯板に3対の剛毛が見えます。

投稿: ezo-aphid | 2013年12月14日 (土) 16時28分

ezo-aphidさん、こんばんは。
いつものようにとても判りやすい解説をありがとうございます。
「一寸のハエ」の画像を見ましたが、ほんとに翅が長いんですね。翅脈の特徴もよく確認できます。近所にいるのなら撮影しておきたいですね。
私の写真の種がMNDの(Tephrochlamysの)翅脈図や田中川さんの画像とよく一致することも納得できました。タイトルに種名を入れておきます。

投稿: おちゃたてむし | 2013年12月14日 (土) 20時36分

ご採用ありがとうございます。
「一寸のハエ」のその後の様子を見に行ったら、市毛さんの賛同がありました(ホッとしてます)。

投稿: ezo-aphid | 2013年12月14日 (土) 20時57分

ezo-aphidさん、おはようございます。
さすが、お見立てどおりだったんですね。
ハエはハチに比べると地味な印象でちょっととっつきが悪いんですが、ぼちぼち勉強したいと思っています。

投稿: おちゃたてむし | 2013年12月15日 (日) 06時46分

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