フカヤカタカイガラムシ?の幼虫
ヘデラ(セイヨウキヅタ)の葉裏にくっついていたカタカイガラムシの一種です。
いつも冬場にヤツデの葉裏で見かけるものとよく似ていて、以前そらさんが「フカヤカタカイガラムシの幼虫?」として掲載されていたものと同じ種ではないかと思っています。
ほとんど厚みのなさそうな体は透明に近く、葉裏の色がそのまま、葉脈まで透けて見えます。体長は2mm弱です。
私もそらさんと同様、裏側がどうなっているのか気になってひっくり返してみました。色が薄くてちょっと分かりにくいのですが、ちゃんと脚が6本に触角まで見えています。
頭部に近く細いエナメル線のように光っているのは口針でしょうか。
いきなり裏返しにされて慌てているんでしょう、盛んに脚をばたばた動かしています。
背中というかお尻というか、後部の背面からなにやら突き出して体を持ち上げています。何という名の器官なのか、1枚目の写真で鏃の形に見えている部分だと思います。裏返しての撮影中、しばらく目を離した間に元の姿勢に戻っていたことがありましたが、多分こんな風にして起き直ることが出来るのでしょう。
起き直って歩いています。
葉裏にぴったり密着している時はほとんど透明だったのに、葉面から離れると不透明になりました。
(2013.12.16・神戸市中央区)
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コメント
こんばんは、
あらまあ、6本脚でちゃんと歩くんですか、歩くのは葉っぱにへばり付く前だけかとも思っていました。しかも、裏返しにしても自分でひっくり返ることが出来るのも凄いです。
明日見つけたら、是非確認してみたいですね(^^)。
一見だと、何の面白みもないカイガラムシですが、詳しく観察すると意外な事実が分かるものなのですね。
投稿: そら | 2013年12月20日 (金) 21時33分
そらさん、おはようございます。
以前にそらさんの記事を覚えていたので、これは裏側も拝見しなければ、と思った次第です。
こんな左右非対称の生き物がちゃんと脚を出して歩くというのは妙な感じですね。
ひょっとしたら歩くのは幼虫だけかも知れないという気もしているのですが、その点お確かめいただければ幸いです。
投稿: おちゃたてむし | 2013年12月21日 (土) 07時21分
起き上がれるものかは、風任せ、なんでしょうか。この”支え”は肛門板と呼ぶようです(・・・・肛門のありかはよく判りませんが)。 ”フカヤ”の雌成虫は「体長3-4mmで、肛門板の長さは幅の5倍以上」と図鑑には記されているので、これはまだ幼虫なのかもしれません。
学名の由来を調べたところ、茨城県のブドウから採集した(弟子の) C. Fukayaさんに因んでいるとのことです。
投稿: ezo-aphid | 2013年12月21日 (土) 20時48分
ezo-aphidさん、こんばんは。
肛門板ですか。ありがとうございます。まさかひっくり返った時の為にあるものではないんでしょうが、これを伸ばすことが出来るのは面白いですね。
タイトルから記事まで「フカヤ」を間違えて「フタヤ」と書いていたのに気づき、慌てて直しました。Fukayaさんに叱られるところでした。
投稿: おちゃたてむし | 2013年12月22日 (日) 20時28分
この画像を見ながらポテトチップスを食べていたら、卓上に落ちていたポテトチップスに脚がニョキッと生えて歩き出す妄想をしてしまいました(笑)。
こんな薄っぺらな体でもちゃんと生きてて歩き回ることが出来るというのは、驚異であり、可笑しくもあり。そんな生き物の多様性の、面白さが実感出来るのが虫撮りですね。その小ささゆえに、見る意思が無ければ気づかないことが多い世界だけど、この面白さを見逃してしまうのはホントもったいないと感じる今日この頃です(笑)。
投稿: フッカーS | 2013年12月22日 (日) 22時06分
フッカーSさん、おはようございます。
なるほど、ポテトチップスですか。この薄っぺらさは確かにそんな連想も起こさせます。
どんな生き物もそれなりの興味と関心を持って見れば面白いんでしょうが、特にこんな小さな動物は形といい動きといい常識をかけ離れた奇想天外さを感じさせるものが多くて、おっしゃるとおり見逃すのはもったいない気がします。真冬に公園の片隅にうずくまって虫撮りなんぞしているのはひいき目に見ても変人ですが、やめられませんね。
投稿: おちゃたてむし | 2013年12月23日 (月) 06時40分