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2014年3月26日 (水)

ムツテンチャタテ属の一種?・幼虫の脱皮

アラカシの幹でチャタテムシの幼虫が脱皮を始めていました。樹幹でよく見かける、カムフラージュのため(?)に体中に地衣類や木屑のようなものをくっつけている奴で、ムツテンチャタテ属だと思います。
はじめ成虫が羽化して出てくるのかと期待したのですがそれにしては小さく、出てきたのを見るとやはりまだ幼虫でした。しかし撮影の後でモニタを見るとちょっと面白い発見がありました。

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見つけた時には脱皮がかなり進んでいました。

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古い皮を脱いだばかりなのに顔面にはすでに地衣類(?)の粒が付着しています。どうやってくっつけたんでしょうか。

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最初の写真から約15分後。脚や触角がすべて出てきています。

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やがて体を背中側に強く反らせては戻すという動作を繰り返し始めました。

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どうやらその動作によって脱皮殻に付着していたクズが新しい皮膚に乗り移っていくようです。

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体中に生えている毛には先端に粘着性らしき透明の球がついていて、カムフラージュのためのクズをくっつけておく役目を果たしているようです。同じように先端に透明の球をつけた毛はナシグンバイなど一部のグンバイムシの幼虫にもありますが、そちらには粘着性はないようですし、脱皮直後には球は見られません。

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見つけてから約30分後、完全に抜け出しました。この状態で体長約2mmです。

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おそらく苦労して(?)身に纏った貴重な財産なのだから脱皮殻と一緒に脱ぎ捨てるのはもったいないということでしょう。しかしすべてのクズを引き継げたわけでもないでしょうし、また体も大きくなっているのでこの後も財産を増やす努力は続ける必要がありそうです。

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同じ木にいた別個体です。やや大きいですが同じ齢のようです。脱皮した幼虫もやがてこんな色になるんでしょう。

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同じ木にいた成虫です。ムツテンチャタテ属の一種ですが、上の幼虫と同種かどうかは分かりません。

(2014.03.23・明石公園)



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