羽化直後のムツテンチャタテ
つい先日も幼虫の脱皮の様子を紹介したばかりですが、3月下旬から4月にかけてがムツテンチャタテの仲間の羽化シーズンのようで、この日も羽化直後の個体を2匹見かけました。
上の写真を見ると腹部末端に上向きの掌状の突起が見えています。これは3年前にやはりムツテンチャタテ属の羽化の写真を出した際にpsocdeaさんからご指摘をいただいたepiproctという構造と多分同じものでしょう。3年前の個体と同様、そのepiproct(肛上板という訳語があてられています)がはっきり確認できるので、上の個体も Trichadenotecnum incognitum で間違いないと思います。
お尻の先を後から写してみました。epiproctはいろんな分類群の昆虫で見られるようですが、何の役に立つものなんでしょうか。
(2014.04.03・明石公園)
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コメント
チャタテのシーズンがやってきましたね.北海道ではまだまだですが…
間違いなく incognitum です.Epiproct は交尾の際,雌の腹側の構造を把握する役割をします.
投稿: Psocodea | 2014年4月14日 (月) 08時39分
Psocodeaさん、こんばんは。
こちらではムツテンチャタテ(の仲間)の羽化は2月中に見たこともありますが、北海道はまだまだ寒いんでしょうね。
Epiproctは交尾のための器官なんですね。
雌の腹側の構造を、と言うのが一瞬不思議な気がしましたが、以前に「チャタテムシでは雄が雌の下に潜り込むのが一般的」と教えていただいたことを思い出しました。しかし未だに目撃する機会がありません。
投稿: おちゃたてむし | 2014年4月14日 (月) 21時28分