マメクロアブラムシ
* 2014.05.13・追記 *
ezo-aphidさんから、写真の種はマメクロアブラムシとして良いと思う、とのお墨付きをいただいたのでタイトルにつけていた疑問符を外しました。この種とよく混同されてきたギシギシアブラムシは下の記事で触れた触角暗色部の違いの他に腹部に節ごとの横帯があること、角状管がとても短く、尾片の長さとさほど違わないことなどの特徴で本種と見分けられるそうです。
ギシギシの葉の裏の黒っぽいアブラムシです。
ギシギシアブラムシ Aphis rumicis か同属で多食性のマメクロアブラムシ A.fabae のどちらかだと思いますが、両者は酷似していて写真で判別するのは難しいようです。ただマメクロは葉裏に多いがギシギシは葉裏の他茎や花穂にもつくということなので、ここではひとまずマメクロアブラムシとしておきます。
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コメント
実はギシギシアブラムシとマメクロアブラムシは、混同の歴史が長く(杉本(2008):「Aphis fabae 侵入種」で検索)、その重要な判別点として無翅虫の触角第4節の色が用いられています。つまり、第4節が白ければギシギシではなく、マメ・マメクロなどの可能性あり、としています。
ネット上に見つかるギシギシアブラムシAphis rumicis画像のほとんどはマメクロで、本物は「アブラムシ ミニ図鑑」のように腹部の節ごとに横帯があります。これには横帯が無いので、マメクロアブラムシとして良いと思います。
投稿: ezo-aphid | 2014年5月13日 (火) 08時35分
もう一点、ギシギシアブラムシでは角状管がとても短かく、尾片の長さとさほど違いません。
投稿: ezo-aphid | 2014年5月13日 (火) 13時16分
ezo-aphidさん、お待ちしておりました。
ネット上の画像でどうにも2種の違いが分からないと思っていたら、ほとんどがマメクロアブラムシのものだと聞いて納得しました。ご紹介の「アブラムシ ミニ図鑑」のギシギシアブラムシ写真を見ると確かに腹部の横帯や触角の暗色部が多いこと、角状管の短いことなど、マメクロとの違いがよく分かります。私の持っている「アブラムシ入門図鑑」(初版)でもこの2種の無翅成虫の画像はどちらもマメクロのよう(誤って同一個体の画像を掲載しているのではではないかと疑っていますが)ですね。長年この2種が混同されてきた経緯も興味深く読みました。タイトルの?は外しておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2014年5月13日 (火) 20時13分
その「アブラムシ入門図鑑」の2種は、撮影データと背景から見てたしかに同一個体ですね。ギシギシアブラの間違いは、杉本さんから指摘を受けて正誤表を作ることになったものです。さし換え用写真を等倍撮影したのですが、編集部で拡大トリミングをしなかったので、特徴がよく見えていません(ネット上の正誤表ではひどく荒れた画像になってます)。
投稿: ezo-aphid | 2014年5月13日 (火) 21時01分
ezo-aphidさん、
ちゃんと正誤表が出ていたんですね。知りませんでした。
いつか「本物」のギシギシアブラムシを見る機会があれば、マメクロとの違いを自分の目で確認したいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2014年5月13日 (火) 22時15分