オオヒシウンカ
毎年7月頃に出現するオオヒシウンカです。4年前にも全く同じものを出しているのですが、今回は顔面写真付きということでご勘弁願います。
やや薄暗い林の中で木の幹にとまっていることが多いようで、下の写真の場合はムクノキですが樹種は特に選ばないようです。
大型のウンカ(翅端まで10mm以上)で個体数も少なくはないのですが、この種の幼虫らしきものを未だに見たことがありません。普通に目の届く場所にいるものならこれまで目に触れなかったはずはないと思うのですが、ひょっとしたら高い木の梢ででも育つんでしょうか。ざっと探してみましたがネット上にも幼虫の画像は見当たらないようです。
(2014.07.11・明石公園)
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コメント
ヒシウンカ科の多くは、地下部で植物の根(茎?新芽?)から吸汁してるのだそうです。下記にはそのようなことを記しているらしいのですが、文字が薄くて読みとれそうになく、意欲もわきません。写真を眺めて下さい。オオヒシウンカの幼虫については判りませんでした。
「 planthoppers in subterranean habitats 」
投稿: ezo-aphid | 2014年7月28日 (月) 12時16分
ezo-aphidさん、こんばんは。
人目に触れにくい場所で育つのだろうとは思っていましたが、地下という可能性は考えませんでした。でもセミの幼虫が地下で育つことを考えれば不思議でもないわけですね。
北隆館の大図鑑にはネムノキを寄主とする、とあるので、おそらく地中でその根を吸汁しているんでしょうか。道理で目にしないはずだと納得しました。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2014年7月28日 (月) 21時26分
こんばんわ。Wikipediaなどを見ると、判っている種類では、幼虫はイネ科草地(の根)に生息していて、成虫は樹木に見つかることが多いとされています。餌として、根の汁液以外にキノコ類も想定されています。別の文献では、地割れ部分や石の下に生息する、という表現もありました。セミ幼虫の樹木根、あるいはハネナガウンカ幼虫のキノコ子実体など、から推すと不思議なことではないのかもしれません。幼虫の生育植物と成虫の吸汁植物は、全く違っているように思われます。
もう一点、ヒシウンカ科には、Phytoplasmaというウイルスのような植物寄生性の病原体を媒介することが知られています。たとえばヒシウンカの幼虫はヨシの根で育つそうですが、成虫は低率ながらイチゴの病原体を伝搬しています。このことから、成虫は一定範囲の種類の植物個体を盛んに訪問・吸汁していることが想像されます。
投稿: ezo-aphid | 2014年7月28日 (月) 22時28分
ezo-aphidさん、こんばんは。
つまりネムノキが寄主、というのは成虫だけの話かも知れないわけですね。そう言えばオオヒシウンカを見かけるのはほとんどが木の幹ですが、そこで樹液を吸っているのではないようです。もちろんこのサイズの虫の口吻では厚い樹皮を貫通するのは無理だと思いますから、食事は別の場所で行っているんでしょう。同じくらいのサイズのツマグロスケバなどはよく細い枝にとまって吸汁しているのを見かけますから、この種も同様なのかも知れませんが、まだ現場を見たことがありません。幼虫は無理としても、成虫の食事の場面くらいは見ておきたいという気がしてきました。そのうちめぐり合えたらご報告いたします。
投稿: おちゃたてむし | 2014年7月29日 (火) 21時12分