「昆虫博士入門」
「日本原色カメムシ図鑑」などでおなじみの全国農村教育協会からこのたび「昆虫博士入門」という観察図鑑が出ました。実は巻末の「参考になるサイト」のリストに当ブログも加えられているのですが、だからと言うわけではなく、この本はお勧めです。
魅力はまず情報量の多さ。全頁多数の生態写真や標本写真とその説明でぎっしり埋められています。昆虫の最大の魅力はその種類と多様性の豊富さですから、絵(写真)の少ない入門書はつまりません。
次に本作りの丁寧さ。昆虫の体の構造から始まってその多様な生態、分類群ごとの解説、そして観察や採集の手引きに至るまで、盛りだくさんの項目がとても手際よくまとめられています。「満を持しての刊行」の言葉通り、著者・編集者が充分に時間をかけて練り上げられたのでしょう。隅々まで行き届いた配慮が窺えます。
本の題名からは子供向きの印象を持たれるかも知れませんが記述は本格的です。もちろん虫好きの子供にも読まれることを想定して作られているのでしょうが、そのためにことさら単純化した説明を用いるというようなことはなく、虫道楽の大人が満足できる充実した内容です。
来週には大型書店の店頭に並ぶそうですから、是非手にとってご覧ください。
出版社の案内はこちらです。
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