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2014年8月11日 (月)

繭を紡ぐEuplectrus sp.幼虫(ヒメコバチ科)

オニグルミの葉の裏です。
ぺんしゃんこになった蛾の幼虫の亡骸の下で、2匹の蛆虫が蠢いていました。ヒメコバチ科 Euplectrus 属の一種でしょう。

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このブログでもすでに何度も登場したお馴染みの寄生バチですが(2012.07.112010.02.27など)、以前コマユバチの幼虫?として出したものもこの仲間だったようです。またBABAさんのブログには前蛹の美しい写真が多数掲載されています。

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ちょうどゾウの鼻のようによく動くお尻の先から糸を吐いて繭を紡いでいるところでした。

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目の粗い繭ですが糸が太くて丈夫そうです。

Euplectrus_sp
私はずっとこの尖った方の先が頭だと思っていました。

(2014.07.29・森林植物園)



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コメント

こんばんは。
これは1度、お目にかかってみたかった場面です。糸というより空気に触れると硬化する唾液(口からではないですが)のような感じですね。この瞬間を捉えるのは大変な事だとわかります(^^ いや〜お見事です!!

投稿: BABA | 2014年8月11日 (月) 20時51分

BABAさん、こんばんは。
普通クモやイモムシ毛虫の吐く糸とは違う気がしていましたが、「空気に触れると硬化する唾液のようなもの」というのは正にぴったりの表現だと思います。結構のんびりと動いていたので撮影は楽でしたが、一度持ち帰って蛹化まで見届けたいですね。

投稿: おちゃたてむし | 2014年8月11日 (月) 22時01分

とりあえず、カタビロコバチ幼虫の形態を。カラー図版もあります。
www.nhm.ac.uk/resources/research-curation/projects/chalcidoids/pdf_X/GomezNiHe2011.pdf

投稿: ezo-aphid | 2014年8月13日 (水) 09時24分

Euplectrus属の幼虫とまゆについての情報はえられませんでした。
お尻から出る粘質物でマユを作るとなると、「吐糸」の表現ははふさわしくなく「営繭」と言わざるを得ませんね。
この粘質物は何なのでしょうか、蛹便(meconium)との関係はどうなってるのでしょう、不思議が次々と・・・・。

投稿: ezo-aphid | 2014年8月13日 (水) 12時04分

ezo-aphidさん、ありがとうございます。
この体型はサツマキジラミで見たTamarixiaとよく似ていると思っていましたが、カタビロコバチ科でも同じような形なんですね。
そのTamarixiaの繭も目が粗く同じような物質で出来ているのではないかと思いますが、そちらでは繭にくっついてmeconiumがきれいに残っていました。しかし以前に撮ったEuplectrusの蛹の画像をあらためて見てみるとそれらしいものが見当たらないようです。量が少なくて目立たないだけかも知れませんが、ちょっと不思議です。

投稿: おちゃたてむし | 2014年8月13日 (水) 22時10分

充分な知識ではないのですが、コバチ科の多くは(寄主体内の)内部寄生、もしくは(ゴールやマインなどの)閉鎖環境にいる寄主の体外寄生で、マユを必要としないものが多いだろうと思います。被覆されていない体外寄生のコバチ類(は少数派であり)は蛹の保護にマユが必要になるでしょうが、吐糸できないので(?)このような営繭法になったのだろうと想像します。・・・・・・ホントかどうかは専門家に伺ってみないと、ですが。

投稿: ezo-aphid | 2014年8月13日 (水) 23時58分

ezo-aphidさん、おはようございます。
お尻から糸を出すと聞いてまあそんなこともあるのかとしか思っていませんでしたが、これはコバチ類では(昆虫全体の中でも?)特殊な例なんですね。一度失った(もともと無かった?)吐糸能力が後で必要になったために次善の策として全く別の物質をお尻から分泌して代用するようになった、ということでしょうか。確かにありそうな話だと思います。コメントをいただくまで考えもしませんでしたが、そういう進化の過程を想像してみると面白いですね。

投稿: おちゃたてむし | 2014年8月14日 (木) 07時16分

昨日、林中の野草上から、Euplectrusのマユ(と未羽化蛹)を見つけてきました。繭の外側(!)に、サイズ不揃いのmeconium と思しき泥状塊が(10蛹に対して7個)ありました。容器に入れて羽化を待っているのですが、泥状塊は吸水して少し崩れつつあります。ひょっとして、雨にあうと流失しやすいものかもしれません。

投稿: ezo-aphid | 2014年8月18日 (月) 18時49分

ezo-aphidさん、こんばんは。
そんなふうに考えるとこれまでmeconiumらしきものが見当たらなかったのも頷けますね。今回のような繭を作る途中の幼虫を持ち帰って観察すればそれが見られるのかも知れません。興味深いお話をありがとうございました。

投稿: おちゃたてむし | 2014年8月18日 (月) 19時27分

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