卵を守る??ヒメグンバイ
ヒメグンバイのホストは主にコナラやクヌギだそうですが、私の行きつけの公園ではアベマキが多く、その葉でこのグンバイムシがよく見られます。
この種は葉裏の主脈に卵を産みこむのですが、その産卵痕の上で母虫らしき成虫がじっとしている姿をよく見かけます。ツノカメムシ類では母虫が産卵後の卵塊や孵化幼虫を保護することが知られていますが、ひょっとしてこのグンバイにもそれに似た習性があるのではないかと以前から気になっていました。
この日もちょうどそのような状態の成虫を見つけたので、そっと葉をちぎり取って地上に置き、しばらく様子を見てみました。最初驚いた成虫は主脈の脇にうずくまっていましたが、しばらくすると動き出して産卵跡の上を行ったりきたりし始めました。
主脈の上を歩いて産卵痕を通り過ぎると反転して反対方向に進み、卵の上を外れると再び反転、という動作をいつまでも繰り返します。通常このように驚かせた場合、最後にははじわじわと後退して葉の反対側に回りこんでしまうのが普通ですから、これはやはり卵を守る行動なのではないかと想像してしまいます。
卵は主脈に埋め込むように産み付けられていて、孵化の際には円い蓋状の部分が持ち上がって幼虫が出てくるようです。その様子を目撃したことはありませんが、孵化後間もない状態はこちらの記事に出しています。
(2014.08.20・明石公園)
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コメント
お母さんのパトロールで被害防止効果がありそうな敵といったら、クサカゲロウの幼虫でしょうか。卵寄生性のコバチ類では、ホソハネコバチ科Mymaridae の Erythmelus属、タマゴコバチ科Trichogrammatidae のLathromeromina属ほか数属がいるようです(日本の記録は調べてません)。こっちかな。
投稿: ezo-aphid | 2014年8月28日 (木) 22時51分
ezo-aphidさん、おはようございます。
お調べいただきありがとうございます。小さなグンバイムシの卵にも寄生するハチがちゃんといるんですね。
「卵の保護」という想像が当たっているとすれば、微小なコバチ類に対しては効果が高いように思います。
出来れば一度その寄生バチの方を見たいものです。
投稿: おちゃたてむし | 2014年8月29日 (金) 07時12分