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2014年8月15日 (金)

イッカクカスミカメ

コナラの幹の窪みに潜んでいたカメムシ幼虫です。
太くて長い触角に顔の前に角が1本、と言えばもしや、と思って検索するとやはりイッカクカスミカメ Acrorrhinium inexpectatum で間違いないようです。
実はこのカメムシ、20年近く前に一度だけ成虫を撮影していますが当時持っていた図鑑では種名が分かりませんでした。数年後に出た日本原色カメムシ図鑑の第2巻でようやくそれらしい種を見つけ、わが国では大変珍しい種であるという説明を読んだ時はとても喜んだものですが、最近のネット情報を見ればあちこちで観察されていて特に稀な種というわけでもなさそうです。それでも今回の場所は近所の公園で、いずれ成虫に再会することも期待出来るのでやはり嬉しいことは確かです。

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幹の窪みから出てこないので横から撮影することが出来ませんでした。体長は3.5mmくらいです。

(2014.07.31・明石公園)

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以前に撮っていた成虫です。やはりコナラの幹にいました。体長は記録がありません。

(1995.09.05・森林植物園)

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コメント

ロシア沿海州から中国・日本に分布してるようです。
原記載は北朝鮮とのこと、雌にもツノがあるんですね。触角の図も載ってました。
research.amnh.org/pbi/library/0394.pdf

投稿: ezo-aphid | 2014年8月15日 (金) 19時15分

ezo-aphidさん、ありがとうございます。
グーグル翻訳でちょっとだけ読んでみましたが、北朝鮮で採集旅行をしたブルガリアの研究者の論文なんですね。CinnamusはAcrorrhiniumのシノニムのようですが、属名表記は違うし、こんなドイツ語の資料をどうやって即座に探し出してこられるのか私には想像もつきません。
ツノと言っても小さなものですが、何かの役に立っているんでしょうか。

投稿: おちゃたてむし | 2014年8月16日 (土) 07時52分

このごろは、ネット上で(現行の学名で探せば)関連論文を見つけられるので便利ですねー。
原記載に必ず重要な情報が載っているとは限りませんが、当時の既知種との差異は表現されていることが多いようです。写真の右触角内側の白斑が、図とよく符合してるので(ひとり)感動してました。

投稿: ezo-aphid | 2014年8月16日 (土) 08時15分

ezo-aphidさん、おはようございます。
お恥ずかしいことですがご指摘の白斑には気づいていませんでした。写真だけ見ていると光の加減かゴミかと思って見過ごしてしまいそうですが、それが種の特徴として克明に図示されているのを見ると確かに感動します。当たり前なんでしょうが、研究者はこんな些細な特徴も見逃さずに記録しているんですね。

投稿: おちゃたてむし | 2014年8月17日 (日) 07時21分

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