クダアザミウマ科 Karnyothrips sp.(改題)
* 2015.04.09・追記とタイトル修正 *
SOさんより、写真の種は Karnyothrips属の一種、と教えていただきました。おそらく K.flavipes と思われるが近似種がいるので、とのことですが、もしこの種であればカイガラムシ類を食べる肉食種だそうです。また翅は欠損しているようです。タイトルには属名を入れておきます。
仕事場近くの緑地で、アキニレの樹皮をめくって見つけたアザミウマです。
管状に伸びた尾端からクダアザミウマ科だと思いますが、これまでに見たどの種よりも細長い体型で、それにお飾り程度のごく短い翅がついています。この翅は最初何かの異常かと思ったのですが、もう1匹同じものが見つかったのでこれで正常なんでしょう。
以前にも参照させてもらった農業環境技術研究所の標本館所蔵タイプ標本の画像を探すとササクダアザミウマ Podothrips sasacola という種に体型が似ていて、さらにその属名で検索するとやはりよく似た細長い体型の標本写真が二、三出てきました。ひょっとしたらこの属なのかも知れません。
体長約1.6mm。
翅はほとんど役に立ちそうに見えません。
同じ場所に大小の幼虫もいました。多分成虫と同じ種でしょう。
成虫を上回る体長約1.8mmの幼虫です。
同上。
こちらはやや小さく、体長約1.3mm。
さらに小さい約0.8mmの幼虫。
(2014.11.07・神戸市中央区)
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コメント
幼虫もいることから樹皮下で暮らしているようですが、何を食べてるんでしょうか。Podothripsはカイガラムシ類の捕食者とのことです。付近に、脱皮殻?遺体?が写ってますが、これはなんでしょう?
SOさんの著書で見ると、ケヤキ樹皮下にはApterygothripsとPachyliothripsの2種(種名はどちらもzelkovae)が見つかるそうです。後者はHepotaさんとこで見られますが、明らかに違います。
投稿: ezo-aphid | 2014年11月21日 (金) 08時36分
ezo-aphidさん、こんばんは。
アザミウマの周りに写っている死骸や脱皮殻はアブラムシのもので、ここには写っていませんが有翅虫も多数集まって死んでいました。ケヤキでもよく見かけるワタムシの仲間(?Tetraneura属)ではないかと思いますが、卵があったかどうかなど、よく見ていませんでした。捕食するかどうかはともかく、遺骸がアザミウマの餌になっているということはありそうな気がします。
投稿: おちゃたてむし | 2014年11月21日 (金) 20時07分
Karnyothrips sp. です。おそらくK. flavipes と思いますが、これも近似種がいますので。そうであればルビーロウムシなどカイガラムシを食べる肉食種です。翅は途中で欠損しているようです。SO.
投稿: | 2015年4月 9日 (木) 10時32分
K.flavipesで検索すると、海外サイトで標本画像を見ることができました。この時見た2匹がどちらも同じような状態だったのでこんな翅を持つ種なんだろうと思っていたのですが、やはり本来はもっと長いんですね。タイトルに属名を入れておきます。ありがとうございました。
投稿: おちゃたてむし | 2015年4月 9日 (木) 20時21分