イスノキモンオナガコバチ・雌の羽化
昨日のイスノキモンオナガコバチの続きです。
今回ちょっと粘った甲斐あって、イスノキの実の中で羽化した雌が脱出してくる場面を初めて撮影することが出来ました。
初めてと言っても脱出の経過は以前に見たニッポンオナガコバチとほとんど変わりがありませんが、こういう場面には何度出会っても嬉しいものです。
雌雄で顔色がだいぶ違います。この雄は顔面が広く黒色ですが、こちらのように黒い部分がもっと狭い雄もいます。ニッポンオナガコバチほどではありませんが、この種も雌よりも雄の方が体色変異の幅が大きいようです。
この時は私が見ている間には交尾に至りませんでした。
このハチの産卵は以前に一度だけ8月始めに見ていますが、それが通常の産卵時期だとすれば羽化・交尾から約9ヶ月、その間雌はどこで何をしているのか気になります。
(2014.11.07・明石公園)
| 固定リンク
「膜翅目」カテゴリの記事
- モチノキタネオナガコバチ(2019.07.27)
- ナガコバチ科の一種(?Metapelma sp.)(2019.07.23)
- ウスマルヒメバチ亜科の一種(Lissonota sp.)(2019.07.18)
- フサトビコバチの一種(?Cheiloneurus sp.)(2019.07.12)
- アミメアリ(2019.07.04)
コメント
いつぞやに見せていただいた果実の断面から、産卵管(鞘)の長さは種に届くのに充分に長いことがわかりましたので、夏季にも羽化・産卵できる妥当性はありますね。晩秋季の羽化成虫は、交尾を済ませた雌が越冬あけてから卵巣の発育を開始して、成熟後に幼果~未熟果に産卵してるのではないかと想像します。夏季の羽化には、春季の産卵が必要なので、つごう年2世代を想定してもいいように思います。
・・・・・・・でも、どうやったら確かめられるんでしょうね。
投稿: ezo-aphid | 2014年11月21日 (金) 12時21分
ezo-aphidさん、
8月に産卵を見た時にもこのハチの出た跡らしい穴の開いた実がたくさんあったので、越冬明けの雌が春に産卵している可能性はあると思います。ただそうだとすれば夏の羽化シーズンにも多数の雄が集まって雌の羽化を待つという光景が見られてもいいはずですが、未だ目にしていません。また毎冬の越冬昆虫探しではこのハチをまだ1匹も見ていないのです。個体数の違いは大きいものの、ニッポンオナガコバチの雌が冬季に葉裏や落葉の間でごく普通に見つかることを考えれば、ほんとに成虫で越冬するのかどうかちょっと疑問を感じています。野外観察だけで確かめるには、やはり羽化や産卵の現場を押さえるしかないんでしょうね。
投稿: おちゃたてむし | 2014年11月21日 (金) 20時30分