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2014年12月22日 (月)

タケノホソクロバの幼虫とコマユバチ?の繭

ササの葉の裏に集まったタケノホソクロバの幼虫です。
蛹で越冬するそうですが、12月に入ってまだ幼虫のままでいるのは正常なんでしょうか。試しに木の枝でつついてみると死んではいないようです。

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体長は5mmから6.5mmくらいです。
撮影時には気づかなかったのですが背中に何かの卵らしき物体をくっつけたものもいます。

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この白い物体は寄生者の卵ではないかと思いますが、以前のそらさんの記事にも登場しています。

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この毛虫は毒針毛を持っているそうです。ウニの棘のような短い毛がそれでしょうか。

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別個体の横腹部です。画面下の噴火口状のものが寄生者の脱出口のようにも見えます。

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左がお尻、右は頭部です。

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硬いササの葉を食うだけあって顎は頑丈そうです。

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同じ葉についていた繭。コマユバチでしょうか。また幼虫についている卵(?)と関係があるんでしょうか。

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はっきりとはわかりませんが、糸が網状になっているように見えます。長さ1.2mmほどです。

(2014.12.07・奥須磨公園)

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コメント

意外なことに、蛾類大図鑑にもタケノクロホソバという(たぶん?誤植)という和名がありました。近縁種の多くは「・・・・クロバ」というので、タケノホソクロバの方が妥当なのでしょう。

どうやら毒針毛の形は、ドクガのもの(下記サイト写真)とは違っているようです。 www.iph.pref.hokkaido.jp/dokuga/framepage1.htm
ウニ棘のような短毛には、刺さると抜けにくくなる細かいカエシ(逆向きのトゲ)があるのじゃないかと想像します。と、書いてから「毒虫の話」(梅谷・安富、1969)を持ってることを思い出しました。それには、「幼虫の各環節には4個ずつの小さい黒コブがあり、それぞれに数本ずつ白く長い毒毛が生えている」とありました。 それじゃあ、毒毛が刺さっていく方向はどっちなの?! という疑問が。

越冬方法も諸説あるようで(世代数は地域で違うそうですが)卵越冬という記述がある一方、近縁種には幼虫越冬もあります。意外に判っていないのかもしれません。

ところで、ドクガ・チャドクガの場合は毒針毛の飛散防止が重要ですが、最近はアクリル樹脂のエアゾール剤があるのですね。野外で幼虫を見つけても、殺虫剤ではあまり意味が無かったのですが、これなら役に立ちそうです。幼虫が集団でいるうちに使う方が効果的ですね。

投稿: ezo-aphid | 2014年12月24日 (水) 09時36分

ezo-aphidさん、こんばんは。
すみません、またまたぼんやりミスでした。でもこの「タケノクロホソバ」で検索するといくつもの記事が見つかりますから、やはり間違えやすいんでしょうね。
ドクガの毒針毛があんなふうに先が拡がっているとは知りませんでした。タケノホソクロバの方はすんなりと先細になっているようですが、刺さり方も違うんでしょうか。試してみたいとは思いませんが。
近所の公園ではツバキが多くてチャドクガもよく発生しますが、幼虫が消えた後も脱皮殻が長い間残っていて、一度ひどい目にあった経験があるだけにちょっと気味が悪いんですが、確かに樹脂で固めてしまうと安心ですね。

投稿: おちゃたてむし | 2014年12月24日 (水) 22時04分

越冬形態については、樹皮めくりをしてて感じるのは「前蛹~蛹で越冬」ということでした。12月でも稀に外を歩いてる幼虫を見かけることはりますが、樹皮裏で繭に覆われてる数の方が圧倒的に多いです。茶褐色の乾燥した紙質のような繭をめくると、12月頃だとまだ脚や毛の生えた黒コブの形がはっきり残った前蛹が出てくることが多いです。卵については、外観を知らずに見かけても認識していないだけかもいしれませんが、冬の樹皮めくりでそれらしいものを見た記憶は無く、画像を見直してもそれっぽいものは写ってませんでした。
あくまで都内23区内で自分が見た範囲に限ってのことですが。

投稿: フッカーS | 2014年12月25日 (木) 00時17分

フッカーSさん、有難うございます。
出典をもう一度見直すと・・・・・、あれ、学名が違ってる。調べると以下の事情だそうで。
phasmid.cocolog-nifty.com/worm/2005/08/post_2c53.html
こちらに名古屋での観察があり、「年3化、繭内での前蛹態または蛹越冬」とあります。東京と一致してますね。

ひょっとすると卵越冬といってるのは、(やはりササを食べる)山地性・北方系の種と言われるヒメクロバの方なんでしょうかねー。

投稿: ezo-aphid | 2014年12月25日 (木) 12時37分

フッカーSさん、こんばんは。
やはり蛹越冬ですか。ありがとうございます。さすが、よく観察されているんですね。
樹皮下で見つかるとのことですが、私はまだ見たことがありません。と言うよりも見ていてもそれと気付かなかっただけかも知れませんが。それにしても12月に入ってまだ食草の上にいるというのはちょっと暢気ですね。

投稿: おちゃたてむし | 2014年12月25日 (木) 20時47分

ezo-aphidさん、こんばんは。
とっくに記載されていると思われていた普通種の方が実は未記載だったということですね。昆虫は既知種だけでも膨大な数になりますから、そういう間違いも起こるんでしょうか。面白いお話です。

投稿: おちゃたてむし | 2014年12月25日 (木) 21時01分

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