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2015年6月28日 (日)

クロフチャタテ科 Aaroniella sp.

このクロフチャタテの一種のように樹幹を住処にしているチャタテムシを撮影していると、人間やカメラが近づいた時の反応というか、逃げ足の速さに種によって違いがあることが分かります。
これまで見てきた大雑把な印象では、最も敏感で真っ先に逃げ出す(と言っても翅を拡げて飛ぶことはまずないので6本脚で走って逃げるわけですが)のがウロコチャタテの仲間、ついで逃げ足の速いのがその名の通りのイダテンチャタテムツテンチャタテの仲間マドチャタテの仲間はまず平均的、ホシチャタテクロミャクチャタテなどはかなり鈍重で近づいてもなかなか逃げず、そしてこのクロフチャタテになるとよほどしつこく撮影していてもほとんど動くことがありません。
敵の接近に応じて脚を恃んで一目散に逃げ出すか、あるいはひたすらその場を動かず樹皮の凹凸に紛れて見つからないことに賭けるか、対照的ですがどちらも効果のある戦略なんでしょう。
写真を撮る者にとっても効果は同じで、ウロコやイダテンは近づくとすぐに動き始めるので簡単に見つけられる反面、レンズの射程内まで接近するのがなかなか難しく、クロフチャタテなどはよほど目を近づけて丹念に探さないと見つからない反面、見つかればこころゆくまで落ち着いて撮影することが出来ます。
前置きが長くなりましたが、先日のコクロキジラミを撮ったのと同じエノキの幹にいたクロフチャタテ科 Aaroniella sp.です。同じ幹のあちこちに沢山いましたが、他の種に比べて見かけることが少ないのは上に書いたような理由によるのかも知れません。

_dsc0958
2匹の雌。この種はいつも、念入りに張りめぐらせた糸の下に潜んでいます。

_dsc0959
糸にくっつけている多数の球は自分の糞だと思うのですが、実際はどうなのかよく分かりません。捕食者や寄生者に対してのカムフラージュか、防空気球のような役目でも果たしているんでしょうか。

_dsc0886
向かい合う雌(上)と雄。雌雄の顔面はこちらにあります。

_dsc0873
終齢らしき幼虫もいました。

_dsc09242
翅芽には成虫の翅脈と同じような黒条が見えます。

(2015.06.15・明石公園)

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