サヤツナギの一種(Dinobryon ?sertularia)
サヤツナギ(Dinobryon属)の一種は以前にも掲載していて、殻の形からおそらヒダサヤツナギ(Dinobryon divergens)であろうと判断したのですがで、今回のものは殻の全長は同じ位ですが直径がもっと太く、別種のサヤツナギ(D.sertularia)ではないかと考えています。
採集した水をシャーレの上から実体顕微鏡で眺めていると、枝分かれした糸屑のようなものがゆっくりと漂うように移動しているのが見えます。
ところがそれを一滴の水とともにスライドガラスに取り、押し潰さないように両側に薄いプラスチック板を鋏んでカバーガラスを載せて検鏡していると、しばらくの間はシャーレの中と同じように動いているのですが、間もなく動きを止め、やがて個々の細胞が一つまた一つと殻の中から抜け出していってしまうのです。その様子は次の動画をご覧ください。
ところがそれを一滴の水とともにスライドガラスに取り、押し潰さないように両側に薄いプラスチック板を鋏んでカバーガラスを載せて検鏡していると、しばらくの間はシャーレの中と同じように動いているのですが、間もなく動きを止め、やがて個々の細胞が一つまた一つと殻の中から抜け出していってしまうのです。その様子は次の動画をご覧ください。
なぜこのような現象が起こるのかよく分かりませんが、狭い隙間に閉じ込められたことによる環境の悪化に対する反応であることは確かでしょう。柄から自らを切り離して泳ぎだすツリガネムシの行動にも似ていますが、自由になったツリガネムシは元気に泳ぎ回っているのにたいしてこれはそのまま死んでしまうように見えます。
ほとんどの細胞が抜け出して空き家になってしまった群体です。
これはまた別の群体ですが・・・。
やはり間もなく全ての細胞が出て行ってしまいました。
(2015.06.12・神戸市西区の溜め池で採集)
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