クワナケクダアブラムシ(Greenidea kuwanai)(改題)
* 2015.11.12・追記とタイトル変更 *
ケクダアブラムシるいについて何度のご教示をいただいている杉本さんから、「幼虫の角状管間の硬化板の形状や脛節の濃淡から判断すると、クワナケクダアブラムシと思います。」とのコメントをいただきましたので、タイトルに種名を入れました。また4枚目は1齢幼虫で、このグループの1齢幼虫はすべてこのような形をしているということです。
アラカシの枝に集っていたケクダアブラムシの一種です。
同じ場所では以前に杉本さんに Greenidea nigra と確認していただいた種をやはりアラカシの枝で撮影しているので、今回も同じ種かと思っていましたが、写真を見比べるとどうも別種のようです。
大小の幼虫たちと黒い成虫。甘露を求めてキイロシリアゲアリも集っています。

左の有翅幼虫は体長約2.7mm。左右の角状管(左側は失われているようですが)の間の硬化板の形がGreenidea nigra とは異なっていて、以前ウバメガシの枝で撮影したクワナケクダアブラムシ Greenidea kuwanai に似ているのですが、クワナケクダの寄主植物にはアラカシは含まれていないようです。(硬化板の形についてはクワナケクダの記事への杉本さんのコメントを参照して下さい。)
幼虫の体色や模様にいろんなタイプが存在するように見えます。上の写真に写ってるもので体長が最小1.1mm、最大2.4mmくらいです。
若齢の幼虫たち。体長約1.3mmです。角状管の形が前の写真の同等の大きさの幼虫と違って細い円錐形をしています。(1齢幼虫だそうです。)
この成虫は体長約2.4mmです。
(2015.10.26・明石公園)
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コメント
幼虫の角状管間の硬化板の形状や脛節の濃淡から判断すると、クワナケクダアブラムシと思います。常緑のコナラ属でも頻繁に見つかるのでしょうか。4枚目の写真の幼虫は1齢幼虫で、このグループの1齢幼虫はすべてこのような形をしています。
投稿: 杉本 | 2015年11月11日 (水) 22時48分
早速のご教示ありがとうございます。
以前の記事で教えていただいたクワナケクダに似ている気はしたのですが、アラカシについていたので別の種かと思っていました。
常緑のコナラ類でも頻繁に見つかるのか、というご質問ですが、なにぶん行き当たりばったりの観察しかしていないのでなんともお答えできません。この公園ではアラカシが非常に多く、またクヌギやコナラが少ないので、そのせいもあるのでしょうか。クヌギ・コナラのかわりにアベマキは多いのですが、その木ではまだGreenideaらしきものを見ていないように思います。
杉本さんにはこれまでに3種のGreenideaとその見分け方を教えていただいたので、それらと寄主植物の関係について今後注意して見ておきたいと思います。
投稿: おちゃたてむし | 2015年11月12日 (木) 20時06分