クチサケミズケムシの一種 Frontonia sp.
以前にも一度出したことがあるクチサケミズケムシ(Frontonia)の一種です。
ゾウリムシのお仲間の大型の繊毛虫ですが、池の水などで見つかる頻度はこちらの方が多いように思います。以下、3個体の写真と動画を並べてみました。
A個体(細胞長約260μm)
細胞表面にピントを合わせています。画面左上が前部で、長い裂け目のように見えるのが口部(細胞口)です。表面全体を覆っている無数の太短い毛のような突起はトリコシストと呼ばれる器官で、外部からの刺激によってその中身が針状になって放出されます。外敵を撃退する役割を果たしているようですが、カバーガラスの下に封入して観察していると何かの具合で放出するのを見ることがあります。
細胞内部にピントを合わせた画像で、大小の珪藻を取り込んでいるのが見えます。真ん中の少し暗くもやもやした部分が核だと思います。
偶然ですが、体内に取り込んだ珪藻を細胞肛門から排出する様子が写っています。
B個体(細胞長約360μm)
トリコシストと細胞口。
こちらの動画でも、体内から珪藻を排出すところが見られます。
C個体(細胞長約350μm)
これは照明法を変えて、簡易暗視野照明で撮っています。
どの個体もほとんど例外なく珪藻を取り込んでいますが、ちゃんと中身を消化できるんでしょうかね。
細胞口とトリコシスト。
二つの赤い点は何かの目のように見えます。何を食べたんでしょうね。
動画です。
(2015.12.23・明石公園にて採集)
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