マテバシイケクダアブラムシ
*2015.12.16・追記 *
今回も杉本さんから詳しいコメントをいただきました。3・4枚目と、5枚目の羽化直後の有翅成虫は雄で、雄が出てきていることから推測して1・2枚目は産卵雌虫(雄と交尾して卵を産む)かも知れないというです。また最後の写真中央の腹部が緑がかった幼虫は雄幼虫とのことで、よく見れば翅芽も見えています。
10月はじめにこのマテバシイケクダアブラムシを見た時は幼虫と無翅成虫(?)だけしかいませんでしたが、同じマテバシイのひこばえで今回は有翅成虫の姿も見られました。
幼虫や無翅成虫はすべて枝に集まっていますが、この日見た有翅成虫は1匹づつ葉の裏に散らばっていました。体長は約2.7mm、翅端まで約5mmです。
こちらは雄でしょうか。体色が薄いのは羽化後間がないせいかも知れませんが、体長約2.4mm、翅端まで約4.3mmと、ひとまわり小型です。
羽化後まだ翅の伸びていない成虫もいました。終齢幼虫は羽化のために枝から葉の裏へ移動してくるんでしょうか。
(2015.12.01・学が丘北公園)
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コメント
3枚目から5枚目の体色の薄い有翅虫は雄です。ちなみに、最後の写真の中央部に腹部が緑がかった幼虫がいますが、これは雄の幼虫です。1枚目と2枚目は雄と交尾する産卵雌虫と呼ばれる型かもしれません。ケクダの仲間は、有翅胎生雌虫(無性的に子供を産む雌)と産卵雌虫(卵を産む雌)は、外観的には同じです。腹部末端の尾片や末端腹面にある構造物の形態が異なっているだけです。写真ではその特徴が見えませんので、雄がいるので産卵雌虫も出てきているのかな、という推測です。羽化時に葉裏にいる現象は、私も観察しています。コロニー中で羽化すると、甘露で柔らかい個体がダメージを受けやすくなるのでその防止、羽化後分散しやすいように、などと想像しています。
投稿: 杉本 | 2015年12月15日 (火) 22時39分
杉本さん、こんばんは。
色の薄いのはやはりオスですか。と言うことはもっとよく探せば交尾も見られたかも知れませんね。最後の写真の雄幼虫にも全く気がつきませんでした。いつも色々教えていただいてありがとうございます。要点は記事にも追記しておきます。
投稿: おちゃたてむし | 2015年12月16日 (水) 20時21分