ビワクンショウモ Pediastrum biwae
1年ほど前に掲載したフタヅノクンショウモ Pediastrum duplex は外周の細胞から角状突起が2個づつ出ている種ですが、今回のものはその突起が1個づつです。図鑑を見ればその名もヒトヅノクンショウモという種も存在するのですが、これは別のビワクンショウモ P.biwae という種のようです。
手持ちの図鑑類やネット情報によればヒトヅノと違って隣接する突起同士が対をなして近づいているのが特徴とされていますが、その説明とともに示されている図や写真を見ても(下の写真と同様)必ずしも明瞭には認められないように感じます。
その名のとおりかつては琵琶湖の固有種と思われていたのですが、現在では国内各地の淡水で普通に出現することが分かっています。コアユの放流に伴って各地に移入されたとされていますが、東南アジアやアフリカにも出現していることからそもそも本種が琵琶湖固有種というのは疑わしいという見方もあるようです。
ゴミだらけで見苦しい写真ですが、位相差照明で撮るとちょっとイラストみたいな印象になってしまいました。
細胞数は32個ですが、うち2個は細胞質が抜けてしまっています。
外周細胞の突起の先端から長い毛のようなものが数本づつ伸びていますが、手元の図鑑類にはそれが全く描かれていなくて、説明文にも言及がありません。ネット上の画像を探してもほとんど見当たらないのですが、わずかに数枚、位相差か微分干渉によると思われるものに同様のものが写っていました。通常の明視野照明では見えにくいものなのかも知れません。
(2016.05.20・明石公園 桜堀で採集)
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