イスノキの実に産卵するカタビロコバチの一種
花の終わったイスノキの枝に、小さな実がたくさんついています。何かいそうな気がして探してみると、小さな黒いハチが歩き回っているのが見つかりました。

はじめに見つけた奴は枝に手を触れると逃げてしまってがっかりしましたが、二匹目のドジョウを期待して腰を落ち着け周りをじっくり探すと、他にも数匹がうろうろしているのが見つかりました。体長は2.5から3mmくらいです。

顔面を見ると、大口のコガネコバチの仲間なんかに比べるてかなりおちょぼ口ですね。
さて、このブログでは以前にアベマキの葉や枝に出来た虫こぶに産卵する、それぞれ別種と思われるカタビロコバチ(2012/10/15、2012/10/23、2013/08/24)を掲載していますが、もちろんイスノキで見るのは初めてです。山岸先生の寄生蜂の解説によればカタビロコバチ科 Eurytomidae は「大半は寄生蜂で、植物に虫こぶをつくる昆虫や茎にもぐる昆虫などに寄生するが、一部の種類は植物食で、種子を食害する種もある」ということです。この場所のイスノキの実ではイスノキモンオナガコバチの産卵や羽化を見ているので、カタビロコバチはこのハチに寄生しているのかも知れません。もちろん、同じ実に寄生する別の昆虫もいるかも知れませんし、このカタビロコバチ自身が植物食ということも有り得るわけです。
(2016.05.24・明石公園)
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