« ハラキンミズアブ | トップページ | カタビロコバチの一種・雌の出現を待つ?雄 »

2016年5月29日 (日)

イスノキの実に産卵するカタビロコバチの一種

花の終わったイスノキの枝に、小さな実がたくさんついています。何かいそうな気がして探してみると、小さな黒いハチが歩き回っているのが見つかりました。

_dsc6584
タマバチが産卵に来ているのかと思って近づくと、カタビロコバチの一種です。

_dsc8699
はじめに見つけた奴は枝に手を触れると逃げてしまってがっかりしましたが、二匹目のドジョウを期待して腰を落ち着け周りをじっくり探すと、他にも数匹がうろうろしているのが見つかりました。体長は2.5から3mmくらいです。

_dsc8727
やはり、産卵のために集ってた雌たちのようです。

_dsc8903
産卵中。

_dsc8920
産卵場所が決まるとまず腹部を曲げて産卵管の先をあてがい、

_dsc8921
次に鞘から産卵管が離れて穿孔が始まります。

_dsc89262
顔面を見ると、大口のコガネコバチの仲間なんかに比べるてかなりおちょぼ口ですね。
さて、このブログでは以前にアベマキの葉や枝に出来た虫こぶに産卵する、それぞれ別種と思われるカタビロコバチ(2012/10/152012/10/232013/08/24)を掲載していますが、もちろんイスノキで見るのは初めてです。山岸先生の寄生蜂の解説によればカタビロコバチ科 Eurytomidae は「大半は寄生蜂で、植物に虫こぶをつくる昆虫や茎にもぐる昆虫などに寄生するが、一部の種類は植物食で、種子を食害する種もある」ということです。この場所のイスノキの実ではイスノキモンオナガコバチの産卵や羽化を見ているので、カタビロコバチはこのハチに寄生しているのかも知れません。もちろん、同じ実に寄生する別の昆虫もいるかも知れませんし、このカタビロコバチ自身が植物食ということも有り得るわけです。

(2016.05.24・明石公園)

|

« ハラキンミズアブ | トップページ | カタビロコバチの一種・雌の出現を待つ?雄 »

膜翅目」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: イスノキの実に産卵するカタビロコバチの一種:

« ハラキンミズアブ | トップページ | カタビロコバチの一種・雌の出現を待つ?雄 »